参加者一覧 | |||||
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蛇神 御影 陽菜 |
アンネッラ・エレーヒャ トゥルー |
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エルヴァイレント・フルテ アルフォ |
スターリー アインス |
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トリスタン サファイア |
ジューオ ミカ |
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ヴァルター・フェルト ルミ |
レイ・ヘルメス アン・ヘルメス |
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リザルト |
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●いざ尋常に 新年の祝いの席。市場が妙に盛り上がっている。話の中心になるのはセイントクロスと呼ばれる集団。 白づくめの男たちはこの町に流入するなり、その奇抜さを遺憾なく発揮していたのだが、まさかここまでの騒動となるなんて誰が予想したことだろう。 「さけだああああああ!」 騒動というか、こんなにあっぱっぱーな集団だと誰が予想しただろう。 彼らは酒瓶を取り出すなり、宴会を始め。この間の神水強奪事件の聴取に関しても知らんぷり。 しかも、その件に関しては我々との酒飲み勝負と勝ったなら応じてやろう、なんていう始末。 途方に暮れていた、町の憲兵団だったがそんな彼らの前に救世主が現れた。 それが『蛇神 御影』である。 御影は名乗りを上げると、セイントクロスの上半身裸のお兄さんたちから大ジョッキを奪い取るとごくごくと飲み干し始めた。 会場から歓声が上がる。 「さぁ、次のグラスを持ってきなさい、勝負と言ったからにはあなた達も自身があるんでしょ!」 さらに沸き立つ会場。そうなってしまえば帝都側ももうどうにもすることができない。 「マスター気をつけて下さい!」 そう心配するスレイブにグラスと突きつけて御影は告げた。 「私に余計な心配は無用よ。あんたはそこで見てなさい」 なんとしても中和剤を手に入れる、そんな思いが御影を突き動かすのか、それとも単純にお酒が好きなだけか。 ごくごくと喉を鳴らしながら平らげて、体温が上がり、炭酸で胃がきつくなってきたなら普段着ている袴状の服を緩める。 「まだまだ!」 これでまだ入る、そう言わんばかりにグラスを煽る御影である。 しかし御影もザルだがワクではない、そのため顔がもう真っ赤ではある。 会場全体がだいぶ出来上がりつつあった。 それを証明するように『トリスタン』など酒のみ勝負に没頭している。 そんな中『ヴァルター・フェルト』は酒盛り勝負に参加しようとやってきたのだが。あまりに見た目が子供過ぎて省かれていた。 「お子様ミルクでものんでな!」 そうお金を渡されてしまう始末。 それに怒り心頭のヴァルター、次にヴァルターが出た行動は挑発である。 「あなた達とは比べ物にならないほど飲むけど?」 そうグラス手に取るヴァルター。それを一気にヴァルターは飲み干した。 しかし。 「おい、お前それミルクじゃねぇか!」 独特の発音でミルクと告げた男たち、そんな彼らに向かってヴァルターはいたずらっぽく告げる。 「ミルクでも飲んでなっていうからミルクしか飲んでないよ?」 ●追跡、新年に鬼ごっこ さて、そんな盛り上がりを見せる帝都だったが、事態のやばさに気が付いて逃げたセイントクロスの面々もいる。 その逮捕に乗り出した冒険者たちは森の中をかけていた。例えばセイントクロス達の逃亡に激怒した者。 そうそれはたとえば、『スターリー』などである。 「人を殴って逃げるだなんて……正体現したなー!」 そう、武器を振り上げておおわらわである。 「捕まえて守衛につきだしてやるんだから!」 目の前を走っていく背中、それが森に飛び込む直前に【ミスフォーチュン】をかけた、直後一人は飛び出した木の枝に額をぶつけて転倒。スターリーを仰ぐことになる。 「捕まえた……」 ギラリと光るスターリーの眼。 手持ちのロープでぐるぐる巻きにすると安堵のため息を漏らす。 魔力由来の術式は正直生身の人間に使いたくないからだ。 だが、散ったセイントクロスの皆さんは他にもいる。 「アインス、私達囲まれたらどうしようもないんだから 味方とはぐれないように位置とかよく見て行き先を指示してよね!」 その言葉に相棒はけだるげに返事をすると、正月早々の運動会を再開する。 「初の戦闘、ちょっと緊張するね」 そう苦笑いを浮かべるのは『ジューオ』である。 ジューオは足止めに専念するため、開けた場所で敵を待つ。森の中で盾を構えて草木をかき分け暴れるセイントクロスの皆さんの動きを耳で追った。 そんな森に潜むセイントクロスの男性に『エルヴァイレント・フルテ』が背後から切りかかる。『ソニックブーム』で邪魔な草を切り払いつつ、捕獲するため飛びついたが、戦闘員なんだろうか、素直に躱されてしまった。 改めてエルヴァイレントはその手の刃の持ち方を変える、刃を背にしていたがそれを相手に向けた。 それは敵も刃を構えていたためだ。 一応決定打をうつときは剣の腹で殴るつもりでいたが、これはあまり穏やかにはことが済みそうになかったためである。 「全くー。飲むのはええけど、騒ぎ過ぎて周りに迷惑かけたらあかんわ。……ちょっと、落ち着いてもらうとするんよ。」 そう苦笑いで告げるエルヴァイレントにスレイブが声をかけた。 「うん。……ボクらで捕まえて、騒ぎを収めよう。」 大けがはさせないように手加減するつもりだ。 そんなエルヴァイレントと対峙するセイントクロスの男に『アンネッラ・エレーヒャ』が物陰から飛びついた。 彼らが森に隠れてから、森に潜んでいたアンネッラ。 その手に束ねたロープで即刻縛り上げいく。 そして、視界の端に揺れる木の葉が見えた瞬間。ジ・アビスを放った。爆炎で舞い散る木々とめくれ上がる地面。 当てるのが目的ではない行動阻害が目的だ、地形が変わって移動しずらくなった。 その地形操作を始め、アンネッラは多数の妨害工作を想定している。 たとえば森の中に罠を這った。移動する際にちょっと動きにくくなる狭い場所を狙ってミスフォーチュンをかけたり、いろいろ。 アンネッラは俄然やる気なのだ。 それは早く帰ることができたなら酒のみ勝負に参加できるかもしれない空。 本当は酒飲み比べに興味があったアンネッラ。それを保護者のトゥルーに止められ、フラストレーションがたまっているのである。 そんなアンネッラだったが地面を伝って感じた衝撃に振り替える。 森の奥から鳥たちが飛び立った。 『レイ・ヘルメス』が放った魔術だろう。何人かの人間を捕えたらしい。 レイは実は一番多くのセイントクロスを捕獲するやる気を見せていたので、やり口が少々荒っぽい。 実際、例の目の前には三人ほどの上半身裸男が転がっていた。 「俺達の辞書に敗北はないぜ!」 「チェスのように追い詰めてやるのです ふるぼっこにしてやるのです!」 次いで放たれたジ・アビスが森の中に消えようとしていた背中にヒットし、大きく人影が空を舞う。 「はい、俺の勝ちなー」 そう微笑むレイの勝利宣言によって、逃走したセイントクロスの皆さんの捕獲が終了した。 |
執筆: 鳴海GM |