48人の踊り子 Chapter1 「センター不在」(おじやしげき マスター) 【難易度:普通】




プロローグ


 ここは、広場にあるステージ。このステージ上で、47人の踊り子達が、一生懸命に踊り、歌っている。
 そして、ステージの下からは彼女たちを応援する男達が、一心不乱に声援を送っている。
 中には、踊り子達を完全無視して踊っているような輩もいるが、彼らは彼らで楽しんでいるのであろう。

「GJK47」
 この周辺では知らないものはいないという踊り子集団である。そのメンバーの多さから「自分に合う子が必ず見つかる」と言われていたり、『会いたい』『フライゲット』などの、楽曲が良い、と言うファンも多いようだ。
 実際、今日も彼女たちのステージは大歓声に包まれている。

 そのステージを袖から見守る男が一人。名を「プロ・デューサ」と言う。
 彼こそ、この47人の踊り子達、「GJK47」をまとめ上げ、ココまでの人気を生み出した張本人である。しかし。
「……まだだ、まだ、何かが足りない。センターに立てるほどの、オーラが、まだ……」
 そう独りごちてステージを後にした。

 一方その頃、君たちは街中をぶらついていた。
「あ、す、すみません……」
 ぶにゅ、と言う少し柔らかめな感触と同時に、そのような声が返ってくる。
 先ほどのデューサである。
(……ん、彼らみたいな素人にアイドルを見つけてきて貰う、というのは企画として面白いかも知れない……)
 と思ったのかどうかは知らないが、君たちにデューサは話しかける。
「ねぇ、君たち、お願いがあるんだけど……」
デューサは、君たちに笑顔で話しかけてきた。


解説


今回、皆様には「プロ・デューサ」の命を受け、48人目の踊り子を見つけてきて頂きます。とりあえず、今分かっている建物などの情報は以下の通りです。

・宿屋:宿屋に泊まっている女性がいるかも知れません。旅人でしょうか。
・酒場:大人の魅力、セクシー系の女の子がいそうです。酔いどれ系もいるかも? 踊りが得意な子もいるかも知れません。
・王宮付近:王宮付近に住めるという事はそこそこの家系です。プライドの高い女の子がいるかも知れません。
・家畜小屋:いわゆる、純朴な少女がいそうです。牛乳をよく飲んでいるので出るところは出ているようです。
・広場:歌を聴いて貰うにはぴったりの広場です。歌うのが好きな子がいるかも知れませんね。

もちろん、これら以外の場所を探索して頂いても構いません。
GJK47は、年齢制限などは特になく、さらに恋愛に関しても比較的寛容です。そのため、既婚者などであっても問題はありません。さらに言うと、性別すらも関係ありません。
皆さんには、自分たちで見つけた(創った)女の子を、連れてきて頂きます。
パーティの皆さんで何人連れてきても良いですが、デューサは「センターに立てる子一人」を求めています。
そして、皆様が連れてきた子の名前などの情報は…… 皆さんにお任せします。

また、なぜか君たちには密着カメラが付いてきています。踊り子の子を連れてくるまでの様子は録画され、番組になるようです。そのため、連れてくるまでの過程が凄く大事になりそうですね。


ゲームマスターより


どうも、バラエティ担当GMのおじやしげきです。今回はGJK47の48人目のメンバーを皆様に探して頂きます。どこかで見たことがあるような単語が見えているかも知れませんが、気のせいです。良いですか? 気のせいです。気のせいだと自分が言えば気のせいなのです。
皆様の、「理想の女の子(?)」を連れてきて(創ってきて)頂きたいと思います。なぜ(?)と書いたのか? 察して下さい。
それはさておき、今回は連作シナリオになる予定です。全部で何話になるかは正直まだ未定ですが、お付き合い頂ければ幸いです。
ちなみに、自分はももクロが好きです。



48人の踊り子 Chapter1 「センター不在」 エピソード情報
担当 おじやしげき GM 相談期間 8 日
ジャンル コメディ タイプ ショート 出発日 2017/11/6
難易度 普通 報酬 通常 公開日 2017/11/16

コーディアスルゥラーン
 デモニック | シャーマン | 23 歳 | 男性 
GJK47のステージは見た事がある
十分人気なのに48人目だって?!
センターなんてグループの顔じゃないか
これは責任重大だな(下手したらファンにコロされる的な

僕がセンターに求めるのは「存在感」かな

街の広場へ
噴水の縁に上がって叫ぶ
アイドルのグループセンターやれる子はいるかー
訳あって探してる
まずは僕とダンスバトルだ!とダンスバトルを仕掛ける
僕に匹敵、いや、超えるダンスを見せてみろッ
興味持ってくれる子が多く集まってくれたらいいな

その中からルゥの意見も聞いて僕の思う「存在感」に当てはまる子にアプローチ
歌は好き?
デューサさんの話をして
オーディションと思って会ってみる気ない?

その気になってくれた子連れて行く
是呂零鈴
 ケモモ | ナイト | 35 歳 | 男性 
(報酬が出るので)引き受けたはいいが、こういうのはよく分らん
零鈴「私にまっかせてー!」

どこを探すか話し合う
僕が否定的な事ばかり言ってしまい零鈴が意を決したように
ふむ、色々な問題は今考えてもしょうがないです!と木の棒を取り出し
これが倒れた方向へ行きましょう!と言いだした
そんなんで?と思うも彼女に任せる事にする

道中色々あったが木の棒に導かれたのは町外れの酒場の店員
「あらぁアタシをご指名かしらぁんミルキーよぉ」野太い裏声
マスター見つけましたー!とニコニコ零鈴
まさかのオネェだが疲労困憊の僕は「君でいい!」肝は据わってそうだし
経緯を話しまさかのOK

良かったですね!と彼女が笑う
中々の大冒険だったよ(苦笑

参加者一覧

コーディアスルゥラーン
 デモニック | シャーマン | 23 歳 | 男性 
是呂零鈴
 ケモモ | ナイト | 35 歳 | 男性 


リザルト


「GJK47か…… 見たことがあるな」
 コーディアスは、デューサと別れた後、そう独りごちた。
「十分人気があるのに、まだ足りないのか……」
「あら、そうなのですか……?」
 ルゥラーンは、その隣でそう答える。
 実際問題、現状でも十分人気のあるこのグループのセンターを探してこなければならないのである。
「ところで、どのような娘を連れて行く予定なのですか?」
「そうだなぁ……」
 そう言いながら、腕を組んで少々考え込む。
 その様子を「いいよー! 悩んでる様子良いよー!」とカメラマンが手持ちのカメラに収める。カメラマンと言っても、大きなカメラを担いでいる本格的なものではなく、ハンディカメラを持って撮っているADでしかないのだが。
 ちなみに、二人はそのADに対してなんの意識もしていない。AD側も、デューサから「何があっても指示とか、アドバイスとかするなよ? するなよ? 絶対にするなよ?」と言われているので口出しは一切しないでいようと決めているのであった。間違って無いけど間違ってる。
「やっぱり、大事なのは『存在感』かな」
「存在感……ですか」
 ふむ、と聞き入っているルゥラーン。ADもカメラを手に持ったまま頷いたりしているので映像がぶれている。後で怒られる奴である。
「そう、存在感。多分、ここにいると思うんだ……」
 そう言いながら、一行は街の広場に立っていた。
「それでは、歌の上手いお嬢さんを……?」
「いや、音痴じゃなければそれでいい。良い考えがある」
 良い考え……? と少々首をかしげつつ、コーディアスの方を見ると……。
「アイドルのグループセンターやれる子はいるかー!」
 その体をひょいと噴水の縁に持ち上げ、そう叫ぶ。このような軽い身のこなしはお手の物である。
「訳あってアイドルを探している。僕について来れるかー!」
 その刹那、コーディアスの身体は宙を舞い、スタッと着地、その体は見事な舞を披露する。
 さすがは酒場のダンサーである。そのピンクのサイドテールをはためかせ、煌めく汗と共にその身を動かす。
 その横では、ルゥラーンもまた、ダンスを踊っている。言い方は悪いかも知れないが、いわゆる「サクラ」と言う奴だ。
 もちろん、そのダンス自体も素晴らしい物であり、端から見ると二人の息の合ったダンスを披露している状況である。
 
「ほっ、はっほっ☆」
 その二人に割って入るように踊り出す一人の少女。そして、その少女を皮切りに、ダンスに覚えのある子達がその音楽に身を任せていく。しかし、最初に踊り出したその子が一番輝いているようにコーディアスには見えた。
 
「……ふぅ、どう思う? ルゥ」
「そうですね、最初に踊り始めたケモモの娘とか、どうでしょう?」
「おお、やっぱり?」
 ダンスを終わり一息。二人は一緒にダンスを踊っていた中から目をつけていた少女がいた。
 その少女は、すがすがしい笑顔でドリンクを飲んでいる。
「ねぇ、君、名前は?」
 へ? とその少女は首をかしげながら二人の方を向く。状況が把握出来ていないのか、頭の周りには? マークが浮かんでいた。
「サ、サーニャはサーニャにゃ。さっきは楽しいダンスありがとうにゃ」
 サーニャは、屈託のない笑顔で二人に挨拶。その笑顔、自分の目に狂いはなかった、とコーディアスは思った、という。
「ねぇ、サーニャさんは、歌とかは好き?」
「歌? 歌は好きにゃよ? でも……」
「歌が好きなら大丈夫! おっけーおっけー!」
 少々言いよどんだ感じがあったものの、その部分は聞こえなかったのか、聞こえたのにスルーしたのか。歌が嫌いであったら嫌な事を無理矢理やらせることになってしまうが、好きなのであれば問題は無い。コレで、問題は一つ解決したようなものだ。
 
「GJK47って知ってる? あそこのセンターを探しているんだけど、どうかな?」
「どうかなって……? え、わたしが?」
 相当驚いたのか、猫の語尾もなくなってしまっているが、その顔は驚きの中に喜びというか、うれしさというものが含まれているようである。
「プロデューサーのデューサさんに一回会ってくれないかな?」
「わ、わかったにゃ! 頑張るにゃー!」
 そうして、3人はデューサの元へ向かうのであった。ちなみに、ADもいい画が撮れたとご満悦である。
 
「報酬が出ると聞いたから引き受けたが…… こういうのは良く分からないんだよな。お前さんは分かるか?」
 丸眼鏡越しに、是呂は自分のスレイブである零鈴に問いかける。
「大丈夫! 私にまっかせてー!」
 零鈴は、元気に返事を返す。しかし。
「えっと、それじゃあ広場にでも……」
「広場かぁ…… でも、ダンスが出来るのはいっぱいいるんじゃ無いか?」
「そっか…… じゃあ、宿屋とか」
「宿屋はなぁ…… なんか、そんな感じじゃなくないか?」
 出す案出す案否定されて少々イライラゲージが上がってしまう零鈴。ピキピキ。カメラを構えているADさんも少し萎縮しているようだ。
「じゃあ、家畜小屋とか……?」
「うーん、でもなぁ……」
「えーい! そんなこと言うなら、コレで行く場所決めるよ!」
 イライラゲージがマックスに到達したそのとき、木の棒を掲げた。この木の棒を倒れた方向に行こう、と言うのだ。
「え、そんなんで決める……?」
「じゃあ、何か案はある?(にっこり)」
 少々背中に龍虎を背負っているような笑顔を浮かべる零鈴に二の句が継げない是呂は、そのまま何も言わずに着いていくことにした。あ、AD腰抜かしてる。

「お、おいここは人の家の庭…… っておいコラ、勝手に入っていくんじゃ無い!」
 猪突猛進、という言葉が似合う零鈴に謝りながら入っていく是呂。後ろから「コラー! 何勝手に入って来てンだー!」と言う声が聞こえた気がするが、怖くてその方向を見ることが出来ないでいる。マジ怖い。オーラが感じられる。
 その後も、木の棒を倒した先にいた猫に「この子でしょうか……?」と真顔で言ってきたり、目の前の川を泳いでわたろうとしたりとツッコミが追いつかないレベルでツッコミをさせられていた。ちなみに、一番怖かった、と後日語ったのは強面のお兄さんに声をかけそうになったときだという。もはや疲労困憊である。ヘロヘロのキュー、である。
 
「ここか……?」
 そこは、町外れの酒場。少々薄暗いこの酒場に、ズカズカと入って行く零鈴。その後ろをコソコソとついて行く是呂であるが、その年齢や性別を考えると立場は明らかに逆ではないかと思われるが、気にしてはいけない。
 
「あらぁ、いらっしゃぁい。何を飲みますぅ?」
 その身長180cmに野太い声。女性にしては少し…… いや、かなり……? 違和感のある様子。
 しかし、メイクはバッチリきれい系、その身のこなしも中々に見所があるようだ。
「いや、飲み物はいいや。それよりも、アイドルが出来そうな女の子を……」
「マスター見つけましたー!」
 目の前にいるオネェ…… いやマスターならこの店に来ている女性の情報を知っているのではないかと思い、聞き出そうとした刹那、零鈴が目の前のマスターにその一言を放り投げる。因みに、その机にはさっきまで使っていた物とは違う、小さな木の枝がマスターに向かって倒れていた。
 
「……あらぁ? アタシをご指名かしらぁん? アタシはぁ、ミルキーよぉ?」
 目の前のてんやわんやしている二人を微笑ましく見ながら、マスターことミルキーは二人に問いかける。
「それでぇ? 何を見つけたのぉ? それってぇ、ア・タ・シ?」
 いかにもオネェらしい笑顔で二人の方を頬杖を付きながら見ている。因みに、体格的に少々テーブルが低いため、結構無理をしている感じになっているが、気にしないらしい。さすがオネェ。
「ええ! 今ですね、GJK47に入ってくれるアイドルさんを探してるんです!」
「へぇ、あそこって結構大きいグループよね? そこに、アタシを?」
「はいっ! 良いですよね、マスター!?」
「……君で良い!」
 
 えええええぇえぇぇぇっっぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇ!
 
 酒場は驚きの声に埋め尽くされた。その声の中には零鈴のものも含まれていたような気はするが、気にしてはいけないのだろう。と言うか、ネタのつもりだったのだろうか。
「肝は据わっていそうだし、歌も踊りも得意そうだ。君で良いと思う!」
「それじゃ、準備してくるわね? これからオーディションなんでしょ?」
 え、あ、本当に良いの? が半分、頑張らないとね、が半分の表情でミルキーはるんるんと身支度に向かう。
「あ、それはアタシのおごり、飲んで飲んで?」
 そう言ってミルクを2杯、二人の前に置いて身支度に向かった。
 
「良かったですね、マスター!」
「中々の大冒険だったよ……」
 そう言葉を交わし、グラスを重ねる二人。零鈴は満面の笑みで、是呂は苦笑で。しかし、その顔も心なしか笑みがこぼれていたようであった。
 
「さて、それじゃあ、二人とも自己紹介してもらおうかな?」
 4人に依頼したプロ・デューサが、長机に手を組んで二人の少女(?)へ話しかける。
「はいはーい! サーニャはサーニャだにゃ! ダンスが好きだにゃ! よろしくにゃー!」
「あらぁ、いい男。ミルキーよぉ? よろしくねぇ?」
 二人が、それぞれ個性豊かな自己紹介。デューサは、その様子を微笑ましくみている。
(いやー、思ってたより面白い子を連れてきたねぇ……! 面白いよ!)
 と思っていた、とは後日談。
「サーニャ、ダンスを踊るにゃ!」
「うわぁ…… この子のダンス、ホントに素敵……!」
 ミルキーも、その動きのダイナミックさ、その中に見え隠れする繊細さに感嘆の声を上げる。
 猫のケモモらしく機敏さのあるダンスに、獲物を狙う鋭い視線、やはりダンスは天下一品のようである。
「あ”~♪」
 しかし、その歌声を披露した瞬間。ガラスがビリビリと震え、少々不協和音のような物が聞こえてくる。『ヘタウマ』とはよく言ったものである。
「あー、楽しかった!」
 耳を塞いでいる周囲の人々にはてなを浮かべながら、パフォーマンスが終了。満面の笑みで着席。
 
「♪~♪~~♪~~~」
 その歌声は、180cmの巨体から。女性にしては低いというか、男性にしては高いその歌声は澄み切っていて、その声量によるパワーも相まって、大きなインパクトを与えていた。あ、あと、あごひげも。オネェって言うのはそれだけで相当なインパクトになるようであった。
「うわぁ…… 凄く上手いニャ」
 その図体の大きさ(と言うかオネェという存在に)ビビっていた部分が少々あったサーニャであったが、その身体に似合わない繊細な歌声を聞いて思わず感嘆の声が上がる。デューサや、連れてきた一行、カメラマンなどもその目を閉じてうっとりしているようである。いや、カメラマンは目を開けて仕事しろよ、と言いたい。しかし、その気持ちも分からんでもない。
 
「さて、みんなありがとう。良いパフォイーマンスを見せて貰ったよ」
 デューサは、一向に向かってそう語りかける。さっきまで、真剣な顔をして資料などを睨み付けていたのが嘘のように穏やかな笑みを浮かべている。
「まず、サーニャさんは、そのダンスが素晴らしい。そのキレのあるダンスに、獲物を狙う視線はかなり見るところがある」
 やったにゃ、とぴょんぴょんと喜ぶサーニャ。その尻尾がゆらゆらと揺れる。ぴょんぴょん。
「しかし…… 歌声は。うん。しょうが無いかな……」
 少し、言葉を選んでいるようである。まぁ、無理も無いのかも知れない。
「……歌が好きだという気持ちは十分伝わってきた。レッスンは大変かも知れないが、付いてこれるなら、何か化けるかも知れない。付いてこれるか?」
「は、はい……にゃ!」
 デューサのその言葉とまっすぐな視線に、サーニャも思わず真面目にそう答える。
「うん、良い答えだ。楽しみにしてるよ。さて、次はミルキーさんか」
「あらぁ? やっとアタシの番なのねぇ?」
 少々期待の視線をデューサに投げかけるミルキー。しかし、その視線の中に、真剣にパフォーマンスを行ったという心は確かにデューサは感じ取っていたようである。
「君の歌声は本当に素晴らしい。透明感があるし、その体、声量から生み出される力強さも相まって、客の心をわしづかみに出来るだろう」
 ふふん、そうでしょう? と胸筋……もとい胸を張るミルキー。すこし可愛らしいかも知れない。
「しかし…… その外形はまぁ、色んな意味で目立ってしまうね……」
 しょぼん。その様子は少々かわいらしさがあるものの、やはりオネェであることは変わらず。男らしさという物も見え隠れしている。
「まぁ、しかしそこはこちら側、プロデュース側の仕事かも知れないね。それぐらいのマイナスを全てはねのけるだけの武器を、君は持っていると思う」
「あ、ありがとうございますぅ……」
 その言葉に、つい素で答えてしまいそうになるミルキー。最後をなんとかオネェ言葉にすることが出来たのは意識の賜物である。
 
「まぁ、本当に良いパフォーマンスを見せて貰ったよ。さっき、感想を言わせて貰ったけど、それを元に、センターになる子を選んだ。今からそれを発表しよう!」
 その言葉の後、無駄にドラムロールが聞こえてくる。そういえば、これテレビ番組だったね。
 目を閉じ、祈るように構えるもの。ただただ興味深そうにニコニコしているもの。ただデューサをみつめているもの、様々な人間模様である。
 
「サーニャさんだ!」
「え、さ、サーニャにゃ?」
「あらぁ、サーニャさん、おめでとぉ?」
 お互いが、お互いの健闘をたたえあう。
「二人、どちらも捨てがたかったのだが、サーニャさんの笑顔をセンターに置いてみたい。この元気な笑顔が、GJKグループを盛り上げてくれるんじゃないか、と信じているんだ」
 少々、何が起きたのか分からない、という感じのサーニャに、ミルキーがおめでとう、と駆け寄ってくる。
「あ、ミルキーさんもサブセンターみたいな感じで一緒に入ってもらうから。サーニャさんのヘルプをしてあげて。ウチのユニットって性別とか、そう言うのはまぁ関係無いから。立ち位置とかそういうのはきちんと美味しいように調整しておくから」
「あ、おめでとうにゃミルキーさん!」
「え、いいのぉ? 宜しくねぇサーニャさん?」
 二人は、がっしりと握手を交わす。ユニットの仲間兼ライバルの誕生だろうか。

「いやー、君たちも本当にありがとう。今回は面白い子を見つけることが出来たよ」
 4人に対し、デューサはそう告げる。凄く良い笑顔をしている。ほくほくである。
「合間合間にADが撮ってきたVもチェックさせて貰ったよ。うん、後でADには説教しておくとして、結構良い感じの番組になるんじゃないかな」
 なんとか1番組分の尺は撮れているようで、その枠も無事埋められたようである。ドキュメンタリーとして結構良い感じになるのではないか、とはデューサ談。
「あ、コレは報酬だ。持って行ってくれたまえ。それと、いつでも会いに来てくれても良いからな? 君たちが連れてきた子達だ。気になるとは思うからね」

 そうして、GJK47改めGJK49は、新たな一歩を踏み出したのであった。




依頼結果

成功

依頼相談掲示板

[1] ソルト・ニャン 2017/10/26-00:00

やっほにゃ~ぁ
挨拶や相談は、ここでお願いにゃ~!
みんなふぁいとにゃにゃ~  
 

[3] 是呂 2017/11/05-17:00

よろしくお願いします。
僕は是呂でパートナーは零鈴です。
こういうのはよくわからん…悩むな。

零鈴:
まっかせてーマスター!  
 

[2] コーディアス 2017/11/03-16:31

僕はコーディアス、パートナーはルゥラーン。
よろしく!

アイドルグループのセンターか、やっぱりグループの顔としての存在感は欲しいかな。
僕達は広場に探しに行こうと思う。
連れてくる口実はオーディション受けて欲しいって事でいいのかな。