【創造の光】赤が咲き乱れる時空間異常(月村 真優 マスター) 【難易度:簡単】




プロローグ


●スレイブの依頼

とても奇妙な光景だった。空間が捻れて歪み、あちらこちらで裂け目を生み出しているのだ。

おそらくは【長距離転移門】の影響なのだろう。空間を走る亀裂は脈絡なく現れたり、逆に縫い合わされるようにして姿を消したりしている。出現期間は数時間程度だろうか。取り残された者の命運は推して知るべし、である。



そう、取り込まれた人々がいるのだ。多くの関係者や見物人が行方不明となっている。メインの捜索隊が大半を救出したとはいえ、空間の歪みによってまだ発見されていない人も残っている。

中には取り込まれた犠牲者の精神状態を反映して迷宮化してしまったせいで後回しにされてしまったものもあった。

今、あなたたちの目の前で口を開いている空間異常もその一つだ。乱立した緋色の向日葵が視界を遮る異空間。取り込まれた人間は花屋の店長ただ一人。

小回りのきかない捜索隊がが後回しにするのも仕方のない話だ。空間の裂け目から離れようとしない負傷したスレイブから目を逸らすのも、彼等にはどうしようもない事だったのだ。



だが冒険者であるあなたたちは違う。そう判断したからこそ、彼女もあなたたちに縋ったのだ。「主人を助けてください」と。

取り込まれ、不運にも空間の主となってしまった人間は『ダミアン・ティエリー』という青年。今日はスレイブの『ルジェナ』と共に転移門の見物にやってきていたのだ、と彼女は嗚咽混じりに語った。

彼女の衣装を見るに、今日を楽しみにお洒落してきたのだろう。それも今は土と血に汚れ、髪に飾られた眩い黄色の向日葵も萎れてしまっていたが。



●空間の歪み

彼女の願いを聞き入れて裂け目を覗き込んでみれば、そこにはただ赤い向日葵が延々と咲き誇っているばかりだ。このどこかにおそらく青年がいるのだろう。

規則性があるのかないのか、それぞれ一塊にばらばらな方向を向いている。この辺の向日葵は揃って正面、あの辺りは揃って右……というように。

密生している訳ではなく、道のようにまばらになっている場所も多々あるので向日葵の間を通り抜ける事は容易だろうが、背が高いので見通しは限りなく悪い。

そして、こちら側で響くブロントヴァイレスの咆哮や飛び交う怒号は全く裂け目の向こうには届いていないようだった。異様な静寂の中を時折獣の唸り声が通り過ぎていく。だが、それ以外は嘘のように静かで、平穏な世界だった。



そして、これは外から見ても決してわからない事ではあるが。いずれ最深部に辿り着いたあなた方は目にすることになるだろう。

直径4mの向日葵のない空白地域、その中心で傷ついた青年が倒れているのを。誰の墓標かわからない木製の簡素な十字架の前で、鮮やかな黄色の向日葵を胸に抱いて深い眠りに就いている。

ぐるりと回りを取り囲む紅い向日葵に見下ろされ、彼はこの空間の夢を見ている。いっそここで眠りに就いてしまった方が平穏なのではないか、と頭の片隅で考えながら。





だがそれは少し後の話。今はまず、あなたがたの後をついて裂け目に入ろうとしている女性の事を考えなければならない。

見かねた捜査隊員が応急処置をしたとはいえ、足を負傷した女性である。

確かにこの空間が彼の精神を反映した物であれば何か有利になるかもしれないが、こんな狼の唸り声が響く空間に、いつ閉じるかもわからない空間に連れてきてもいいものだろうか。



この女性をどうするか。

この目印もない空間でどうやって青年を探し出すか。

どうやって帰り道を覚えておくか。



頭上のブロントヴァイレスの咆哮に、空間の淵がびりりと震えた。

悩む猶予はあまり残っていない。


解説


空間の歪みに捕らわれた青年を助け出してください。探索と会話がメインです。以下は補足情報となりますので参考にしていただければ幸いです。

●ダミアン・ティエリー空間の主。負傷して昏睡状態にありますが、夢を通して空間の中で何が起きているかは見えていますし聞こえています。強く呼びかければ目を覚ましますが、起きても自力では歩けない程度に傷を負っています。負傷度合いにもよりますが、最低でも誰かの肩を借りなければ脱出は不可能でしょう。

●ルジェナ・ティエリーダミアンのスレイブ。足を負傷しているので連れていく場合には保護や手助けが必要となります。はっきり言って探索の足手まといですが、連れていくと青年を見つけやすくなります。連れて行かない場合はその旨を誰かが言えばあっさり納得して探索者に彼を託します。その後はちゃんと捜索隊が保護してくれますので安全は保障できます。どちらが正解という事もないので相談の上でお好きなほうを選んでください。

●赤い向日葵やたらと咲き乱れています。背丈は2.5 mほど。これについてルジェナに聞いてもそれほど心当たりはないようです。「確かに黄色い向日葵は彼のお気に入りらしいけど、赤いのはウチでも扱ったことはありません……」とのこと。ちなみに折ると赤い液体が出てきて嫌な臭いがします。

●獣の唸り声狼です。ネタバレすると、戦闘がメインのエピソードではないので余裕で回避できます。出会ってしまったとしても殴れば一撃で死にます。(※PL情報なのでPCはこれを知らないつもりでプランを書いてくださいね)

●このエピソードの立ち位置このエピソードはグランドプロローグ「創造の日」の連動エピソードです。イベントで起きた様々な大事件の陰で、隠された物語をエピソードにしています。歴史の狭間、真実の隙間を埋める物語へ参加してみてください。なお「創造の日」にて選んだ選択肢と関係ないお話でも参加可能です。


ゲームマスターより


こんにちは。月村真優と申します。

決して難しい訳でもなく、あまり激しいアクションがあるエピソードではないのですが、その分参加キャラクターたちの内面を描写出来たら嬉しいなと思っております。

この空間を冒険者の皆さんはどのように見るのか楽しみにしております。

どうぞよろしくお願いいたします!



【創造の光】赤が咲き乱れる時空間異常 エピソード情報
担当 月村 真優 GM 相談期間 9 日
ジャンル --- タイプ EX 出発日 2017/7/5 0
難易度 簡単 報酬 通常 公開日 2017/7/15

フランベルジュスティレット
 ヒューマン | ウォーリア | 15 歳 | 女性 
空間の歪みに入る前に冒険者さんたちに挨拶。
「皆よろしくね!力を合わせて頑張ろう!」
とても長い白い紐があり、合流するときにはこれを辿ってきてねということをサークルさんに事前に知らせておく。
このロープの束を外に置き、先端を私に巻き付けて中に入る。
まずウリュリュちゃんにまじないの力で身体能力を上げてもらう。
「わっ、力が漲ってきたよ!すごい、すごいよウリュリュちゃん!」
ウリュリュちゃんの手を握ってお礼を言う。
力が湧いてくるのを感じたら、ルークさんを肩車して上からの視点で眺めてもらう。
「うーん、んしょ!ルークさん、どうかな?何か見えそう?」
ダミアンがいないか、何か異変がないかを特に重点的に確認。
もし肩車に疲れてきたら、コトトちゃんに回復してもらうようお願いする。
「うぅー…コトトちゃんごめんね!少し回復してもらってもいいかな?」
ダミアンさんを無事救出できたら油断せず周囲を警戒。
ウリュリュ ドレッドメアグリーニア
 デモニック | シャーマン | 10 歳 | 女性 
わあーすっごいきれーなお花ー!!ウリュリュお花だーい好きっ♪
でも何だかすっごく変な感じがするなぁ~?
【みそぎ】を使ってあげたら黄色くなるのかな~?
んーとね、【おまじない】を使って身体を軽くするの!!ついでにフランねーねにもおまじないかけてあげるー♪
それでね!ジャンプしてみるの!!それでダミアンにーにを探してみるの!!
それでも見つからなかったら感で探すの!!
あっ・・・でもルジェナねーねも心配そーだしぎゅーってしてあげるの!!
あとね!さっきからおおかみさんみたいな声がするの!!探して一緒に遊びたいの!!!!
「ウリュリュも頑張ってダミアンにーにを探してあげるね!!」
ルーク・ヴァールハイト二フル
 デモニック | メイジ | 23 歳 | 男性 
リヤカーが完成するまでは、空間の歪みについて解析している。リヤカーができてからフランベルジュさんに肩車をしてもらい、ダミアン・ティエリーを探す、ある程度目星をつけて、歩き、ある程度歩いたら肩車をさせてもらい探す。ダミアン・ティエリーが見つかるまでこれを続ける。歩いてる道中は周囲を警戒しつつ、リヤカーの横を歩く。警戒はしているものの、道中空間の歪みについて、考え込んでいるため、少し反応が鈍くなっている。可能なら、空間の歪みを広くしたり、縮めたりできるようになる。空間の歪みが出来ている時限定。
ブルワーク・スミスブロッサム
 ケモモ | ナイト | 20 歳 | 女性 
基本的にはリアカーとともに進み、周囲の警戒に当たる。
万が一敵が現れた場合は、味方との連携を要請し、拳で応戦を試みる。
また、必要に応じて肩車されたい人を肩車する。その場合はリアカーと共に進むが周囲の警戒は中止し、肩車に専念する。
肩車している際に敵が現れた場合は上にいる人を下ろした上で、拳で応戦を試みる。
コトト・スターチスリテラチャー
 ヒューマン | クレリック | 7 歳 | 女性 
・方針
できる限り皆さんと一緒に行動します
空間がいつ閉じるかわからないので、なるべく急いで行動したいですね

・ルジェナさん
応急処置しつつ励まします
「ぼくたちがついていますから、絶対大丈夫ですよっ」

・道中
曲がるポイントや重要な場所には帰り道の目印となるよう、空間突入前に拾った小石を目印に置きます
肩車の方の情報から、何か不自然な場所があればそこを調べます
時々ルジェナさんと話して、何か気づいたことを尋ねますね

・対獣
声を聴いて鉢合わせしないように気をつけて、もし出会ったらルジェナさんを庇いつつ後方に下がります
もし怪我された方はApaiserさんと協力して治療します!

・ダミアンさん
治癒の雫を使いつつ必死に呼びかけます
「起きてください!ルジェナさんが心配していますから…!」

・脱出
怪我したお二人をサポートしつつ急いで戻ります
ぼく、役に立てたなら良いのですけれど…
ApaiserReposer
 エルフ | クレリック | 26 歳 | 女性 
リヤカーに乗りながらルジェナの足を治癒、当て木をそえる。ルジェナの話し相手になり、ダミアンとの思い出話を聞く。メンバーの治癒。ルジェナが無事であることをルジェナ自身からダミアンへ伝え、治癒し起こす。
SimpleSample
 ドワーフ | シーフ | 17 歳 | 女性 
リヤカー(ライン引き付き)を製作。ひまわり以外の物の探索とその解析とルジェナにも見てもらう。ルジェナの話とこの空間との関係も考察。墓を調査、必要なら発掘。ダミアンの回復を待ちこの空間について説明してもらう。
サークル=クロスロードソファー
 ヒューマン | グラップラー | 18 歳 | 男性 
Simpleのリヤカーに乗せて送る。花屋に向かう。皆の所はリヤカーの引く目印のラインを追う。
近づく敵や危険、障害物は必殺カンフーのパンチや回転足払いキックで対応。
ヒマワリの種と植木鉢を花屋から持ってくる。リヤカーの引くラインを追う。彼の抱くヒマワリをそこに植えてもらう。

参加者一覧

フランベルジュスティレット
 ヒューマン | ウォーリア | 15 歳 | 女性 
ウリュリュ ドレッドメアグリーニア
 デモニック | シャーマン | 10 歳 | 女性 
ルーク・ヴァールハイト二フル
 デモニック | メイジ | 23 歳 | 男性 
ブルワーク・スミスブロッサム
 ケモモ | ナイト | 20 歳 | 女性 
コトト・スターチスリテラチャー
 ヒューマン | クレリック | 7 歳 | 女性 
ApaiserReposer
 エルフ | クレリック | 26 歳 | 女性 
SimpleSample
 ドワーフ | シーフ | 17 歳 | 女性 
サークル=クロスロードソファー
 ヒューマン | グラップラー | 18 歳 | 男性 


リザルト


●出発
 ブロントヴァイレスの咆哮が響き渡る中で、助けを求めるスレイブの声はとてもか細くか弱いものだった。だが、そんな声であってもかき消させる事なく拾い上げる者たちがいた。
 8人の冒険者が、彼女『ルジェナ・ティエリー』の声に応えたのだ。
「皆よろしくね! 力を合わせて頑張ろう!」
 最初にそう言って全員を見回したのは『フランベルジュ』だ。赤髪をツインテールにまとめた少女の横で、一緒に散歩していたという彼女の スレイブ『スティレット』が小さく頭を下げた。
「救える人がいるのなら頑張りますっ」
 異様な空間の有様にちょっぴり気圧されて、スレイブ『リテラチャー』のメイド服の裾をぎゅっと握りながらクレリックの少女『コトト・スターチス』が答える。それに応じてそれぞれが頷き、同意を示した。

 急を要するとはいえ、無策でこの異様な異空間に飛び込むわけにもいかないだろう。集まった冒険者たちはそれぞれ出来る事を始める。どこか影の薄いドワーフ『Simple』はスレイブ『Sample』、ケモモナイトの女性『ブルワーク・スミス』やそのスレイブ『ブロッサム』に手伝われながらあり合わせの材料でリヤカーを作り上げていた。回復を受けているとはいえ足を負傷したルジェナを運ばなくてはならないし、その時にライン引き機能のついたものがあれば帰り道の心配もしなくて済む、という算段だ。

 その完成を待ちながら『ルーク・ヴァールハイト』は空間の歪みをじっと観察していた。淵の揺らぎを見つめながらじっと解析を行っているのだ。その横からひょっこり「ウリュリュお花だーい好きっ♪」とやってきたのが『ウリュリュ ドレッドメア』である。
「お花見てると元気が湧いてくるね」
 その言葉に明るい笑みで返したのがルークのスレイブ『ニフル』である。彼女もまた自分で育てるほどに花が大好きなのだ。
「……ウリュリュ様には下手に近づかぬよう配慮をお願い致します」
 その様子をウリュリュの傍に控えて見ていたスレイブ『グリーニア』はぽつりと呟くのだった。


 その後ろではスレイブ『Reposer』を従えた『Apaiser』がルジェナの足を治癒していた。負傷した足に手際よく当て木を添えて固定した。
「あ、ありがとうございます……」
「いえいえ」
 お礼を言うルジェナにApaiserはどこかのほほんとした調子で答える。
 リヤカーの完成を待つ間に、スレイブ『ソファー』を従えた横から『サークル=クロスロード』がルジェナに話しかけた。
「ヒマワリの種と植木鉢を持ってきたいのですが、店はどちらに?」
「花屋は相当遠いですが……。種と植木鉢、ですか?」
 聞き返されて、サークルは空間の裂け目を示した。裂け目の向こうでは延々と赤い向日葵畑が広がっている。あそこに黄色い向日葵を植えれば何かになるのではないか、と思ったのだ。それを聞いてルジェナは考え込む。永遠の静寂の未来の赤のヒマワリと、やがて枯れてしまうが種をつける事の出来る黄色いヒマワリ。その二つは決定的に異なるのだ、と彼は彼女に語る。
「種なら、以前仕入れたのがちょっと残ってたような気がします……」
 そう言って彼女は汚れてしまった鞄を拾い、底の方を探り始めた。サークルは静かにそれを見守る。種があるならそれでいい。あまり時間は残されていないのだ。
「これで大丈夫ですか?」
 ルジェナはサークルの手のひらの上にそっと向日葵の種をいくつか置いた。植木鉢は流石に用意できないが、直で植えてもきっと大丈夫だろう、と付け加える。あの空間の土がどれほどまっとうなものかは不明だが。
「十分です、ありがとう」
 サークルはルジェナに笑いかけ、Apaiserと協力して完成したリヤカーに乗せる。
 流石はドワーフの技術か、彼女を載せたリヤカーは押せば滑らかに進み始めた。
 いよいよ出発の時だ。

●向日葵畑
 リヤカーを運び入れて見渡してみれば、裂け目の向こうは何とも異様な世界だった。
 延々とどこまでも続く紅い向日葵の畑に、Simpleは思わずため息をつきそうになる。これではどちらに進めばいいのかまるで見当もつかない。
 空気が一切流れていない、停滞した世界だ。風は全く吹いていないのに、向日葵は時折ざわざわと揺れていた。まるで風が吹き抜けていくかのように向日葵は揺れるが、肌は全く空気の流れを感知しないのだ。視覚と触覚の情報がまるで一致していない。
 ああ、また風もないのに向日葵が一輪こちらを見降ろしてきた。いったい何なのか。
 そして、静かすぎる。狼の遠吠え以外何も聞こえてこないし、それにしたってどこか薄幕を一枚隔てたような響き方だ。この一面の向日葵が音を吸ってでもいるのかとすら思う。
 周りの冒険者たちに目をやれば、それぞれ皆落ち着かない様子だった。
「ゲート……空間の歪み、スレイブ、紅い向日葵……」
 呟き声に目を向ければルークが歩きながらぶつぶつと考え込んでいた。緊張気味なのも致し方あるまい。声の響きに気を配ってみれば、確かに吸音されているようだった。心に留めておく。

(ひまわり。私はあなただけを見つめる…が花言葉でしたっけ。ダミアンさんは誰かを想っているのでしょうか…?)
 コトトもまた、並ぶ向日葵に見降ろされながらかつて読んだ本の記憶を思い起こしていた。とはいえ、これだけの向日葵に見つめられたら、ちょっと怖いかもしれない。横を見れば、ルジェナが不安げに俯いている。
「ぼくたちがついていますから、絶対大丈夫ですよっ」
 コトトの励ましに、彼女は強張った笑みを浮かべた。

 一方、無邪気にふるまっている者もいることにはいる。
「わあーすっごいきれーなお花ー!!」
 10歳の少女ウリュリュは一面の花畑に目を輝かせてぱたぱたと歩き回っていた。そうしてから「でも何だかすっごく変な感じがするなぁ~?」と首を傾げる。
 みそぎを使えば黄色くなるのかな、と試してみたり、自身にまじないをかけてジャンプしてみたりと目まぐるしい事この上ない。ただ、あまり成果は得られていないようだった。
 相も変わらず向日葵は異様な赤色で彼女を見降ろしていたし、驚異的なジャンプ力を得ているとはいえ元々の身長は高くないのだ。それに、滞空時間を考えると周りを見回して人を探すのは中々に難しそうだ。
「肩車とかの方が探しやすいと思うが」
 その様子を見ていたブルワークが提案した。確かにそれなら視点が揺れる事もなくしっかり探せるだろう。
「では私が」
 そう言って立候補したのはフランベルジュだった。15歳といえど立派なウォーリアである。リヤカーの警護をナイトのブルワークに任せて自身が肩車に回った方がいいだろうという判断だ。ブルワークもそれに同意して、「獣だの何だのはこちらに任せろ」と言うように強気に笑って見せた。
「フランねーねにもおまじないかけてあげるー♪」
「わっ、力が漲ってきたよ!すごい、すごいよウリュリュちゃん!」
 フランベルジュはウリュリュの手を握ってお礼を言う。そうして彼女はルークに声をかけた。集まったメンバーの中では彼が一番身長が高く、ついでに言うと痩せ気味なのでいくらか乗せやすい。
 ルークの方は考え込んでいたせいか若干反応が鈍かったが、すぐに意図を理解するとフランベルジュに目線を合わせるようにして屈みこんだ。

「では、恐縮ですがフランベルジュさん失礼いたします」
「うーん、んしょ!」
 そうしてそのまま肩車に乗り、一気に視線が持ち上がる。彼はじっくりと周囲を見渡した。

 開けた視界の先には赤い地平線が広がっていた。その上に広がるのは不自然なほど雲一つ見当たらない青空だ。どうかしているとしか思えないコントラストに、少しだけ視線を下げて向日葵の絨毯に意識を向ける。
 密度がまばらな部分がある事はすぐに気づけた。迷宮のように曲がりくねった道がいくつも出来ている。そして、上から見てみれば何となく向日葵の向く方向にも規則性のようなものが見えてくる。何となく、このあたりの向日葵はそろって右を向いているようだ。
「ルークさん、どうかな? 何か見えそう?」
「向日葵の向きから見ると大体あちら側に何かありそうな気配がします」
 そちら側に続く道を探し、目星をつけてから降ろしてもらう。彼の先導に従って一行は進み始めた。フランベルジュが持参した白い紐を後ろへと伸ばしながら、交代でリヤカーを引きながら前へと進む。
「うーん、んしょ!」
 時々道が分かれたり方向がずれたりすると再び肩車に乗り、方角を確かめる。これの繰り返しだ。
「……かなりこの先が迂回していますね。この壁を越えられたらいいんですが」
「壁ですか」
 周囲で警戒にあたっていたサークルが一歩前に出た。目を凝らせば、並ぶ向日葵の向こうには今いるのと同じような道が見える。
 彼は静かに創作拳法の構えをとった。一呼吸、意識を集中させてから鮮やかな回転キックを繰り出す。足払いの応用で目の前の向日葵をなぎ倒したのだ。
 ぱさりと音をたてて向日葵が倒れ、道が開ける。だが、それと同時に赤い液体が倒れた向日葵から飛んだ。軽やかに後ろに飛んでそれを避けたサークルは液体をじっと見降ろす。
 向日葵以外にもこの空間のヒントになるものがあるのではないかと考えていたSimpleはそれをじっと覗き込んだ。さらさらとした樹液のようにも見える液体。だが、その匂いは覚えのあるものだ。
「鉄の匂いだね」
「……これはあまり折らない方がよさそうですね」
 ストレートなSimpleの指摘に、サークルは頭を掻いて答えた。
 とはいえ、道は開けたのだ。一行は確実に突き進んでいく。


●思い出
 この空間はひどく静かだ。獣の遠吠えくらいしか響いてくるものがない。そんな中で、リヤカーの横を歩いていたApaiserはルジェナにこんなことを尋ねた。
「ダミアンさんってどんな人なんですか?」
 ルジェナの気晴らしと情報収集を兼ねた問いに、ルジェナは少し不思議そうな顔をした。「主人ですか? ……優しくて明るい人です」
 その答えに、ヘンゼルとグレーテルよろしく軌跡に小石を並べていたコトトも尋ねた。向日葵はルジェナさんとダミアンさんにとっても思い出の花なのか、と。
 思い出話を聞かせてもらえないか、とApaiserとコトトに言われてルジェナはぽつぽつと語り始めた。

 最初に出会った時が向日葵の咲き誇る季節だったこと。その時に彼女の茶髪によく似合うと言って飾ってくれたこと。花屋を立ち上げた時に一緒に看板を作ったこと。夕日を一緒に眺めたこと。
 穏やかなApaiserたちの相槌に促されるようにして、そういった事をぽつりぽつりと柔らかい表情でルジェナは語った。
「……でも、そういえば」
 主人はどこか遠い目で向日葵を眺めていた事がありました。いや、向日葵の向こうにある物を見ていたのかもしれません。思い出したようにルジェナは呟いた。
 忘れられない程物憂げな顔をしていたのに、彼女に気付いた瞬間いつもの穏やかな微笑に戻っていたのだ、という。そして彼がそのような顔を彼女に見せる事は二度となかった。
「何でもないよ、としか……言って、くれなかったんですよね……私には」
 ルジェナの声はだんだんと小さくフェードアウトしていった。再び空間を静寂が支配しようとしはじめる。それに気付いたルジェナは何か言おうとしたが、それが声になる事はなかった。ウリュリュが彼女を抱きしめていたからである。
「ウリュリュも頑張ってダミアンにーにを探してあげるね!!」
「……っ」
 おずおずとルジェナはその温かみに腕を回した。話を聞いてもらった事で感情が決壊したのか、肩を震わせて抱きしめる。二つの鼓動が一緒になった。
 彼女の感情によるものなのか、巫女の勘とでも呼ぶべきものなのか、あるいはこの空間に眠るダミアンにそれが届いたのか。
 ウリュリュはぴくりと顔を上げた。そうして、“ダミアンにーに“が近くにいる気がする、と告げる。

「うぅー…コトトちゃんごめんね! 少し回復してもらってもいいかな? ありがとう!」
 それに応えてすぐにフランベルジュはコトトから回復を受けながらルークを肩車した。ルークは見慣れた風景に視線を巡らせ、変化に声を上げる。ある程度揃っていたとはいえばらけた方角を向いていた向日葵たちは、今や一点を見据えている。そこに太陽でもあるかのように。
「向日葵が一点を向いています……!」
 彼は一点を指さし、そのままその先に目を凝らした。
「あそこだけやけに開けた場所がありますね……。っ! 男性が一人倒れてるのが見えます!」
 鋭い叫びに、全員がペースを上げた。


●覚醒
 問題の開けた場所にはすぐに辿り着いた。 向日葵の壁を掻き分けるようにして、先陣を切ったブルワークが道を開ける。そしてその先に広がった光景に絶句した。
「……墓?」
 その呟きにSimpleが後ろから空白地帯を覗き込み、息を呑む。
 散らばる眩い黄色の向日葵。そしてその花束を抱いて眠る傷を負った男、ダミアン・ティエリー。そしてその傍らには。

 木製の十字架が倒れ伏したダミアン・ティエリーの横に佇んでいた。極めて簡素で、木を二本組み合わせたような作りの物だが、それが何を示しているかは明白だ。何故こんなところにこんなものがあるのか。
 最初に我に返ってダミアンに駆け寄ったのはコトトだった。
「起きてください! ルジェナさんが心配していますから……!」
 傷を負って横たわった彼に治癒の雫を使い、必死に呼びかける。傷が少しずつ浅くなり、わずかに呻き声のようなものがあがるが、意識が戻る様子はない。続いて同じクレリックであるApaiserも駆け寄って、回復を施しながら呼びかける。
「安心してください、ルジェナさんも無事です。……ね、ルジェナさん」
「はい! ダミアン、私は助けてもらいました、後はあなたと帰るだけです」
 Apaiserの目配せを受け、光景に絶句していたルジェナもダミアンに呼びかける。身を乗り出したせいでがくんとリヤカーが傾いた。ブルワークに背負われるようにして彼女は倒れたダミアンの横に膝をつく。

「わたしは生きています。夢の中の、永遠に咲き続ける向日葵と違っていつか枯れる身だとしても、今を生きています。どうか夢から覚めて……!」
 サークルが語ったように、静寂の中を咲き続ける永遠の花と枯れても種を遺す花は違う。そして、一粒の麦は地に落ちて死ななければ一粒のままだ。
 その声に、ざわざわと彼らを取り囲む紅の向日葵が揺れた。同時に、ダミアンの瞼が震えてゆっくりと持ち上がった。
「……ダミアン?」
 ルジェナの呼びかけに、ダミアンは唇の端を上げて答えて見せた。冒険者たちの手助けを受けて、彼は夢から帰ってきたのだ。

●黄色い向日葵
 二人がかりとは言え、ずっと傷ついて眠っていた人間が回復するのには時間を要する。回復を待つ間、Simpleはじっと墓を観察していた。近寄って表面をなぞってみても、名前らしきものはどこにも書かれていない。
(いっそ発掘してみれば何かわかるかもしれない……?)
 屈みこみ、土に触れる。少し掘り起こすが特に手ごたえもない。外れか、と思った時に後ろからサークルがやってきていた。
「土、掘っていてくれたんですね。これを植えようと思っていたんです」
 そう言って彼は掘り返されたばかりの土に丁寧に向日葵の種を植えていく。まあ、これで今何が埋まっているかははっきりした訳だ。Simpleの思考をよそに彼はついでにこれも植えてしまいましょうと散らばった向日葵も植え始めた。協力して作業を終え、後ろを見ればダミアンは何とか半身を起こしてルジェナたちと言葉を交わしていた。今から二人をリヤカーに乗せようという所のようだった。

 ルジェナが先に乗り込んでいる間にSimpleはダミアンのそばに歩み寄った。周囲を指して問いかける。
「これは一体何だったの?」
「ムーランルージュですか」
 花の名前だろう。実際には空間に関する説明を求めていたのだが、この場合はほぼ同義だ。頷きに対し、ダミアンは苦々しい笑いを浮かべた。
「かつて、似合う人がいたんですよ。昔の話です」
 とっくに忘れたつもりだったんですが、情けない話です。それに彼女にも申し訳ない事をした。バツが悪そうな表情を浮かべながら赤い向日葵を見あげる。

「ですが、君が抱いていたのは黄色い向日葵でしょう。ほら」
 君は過去に生きている人間ではない、と現れたサークルは植わった黄色の向日葵を指し示す。
「……そうですね。ありがとうございます」
 彼は微笑んで、助けを受けながらリヤカーに乗り込んだ。それはルジェナが語った通りの、優しくて明るい表情だった。

●帰路
 リヤカーの轍と、要所でコトトが置いた小石を辿りながら一向は来た道を引き返す。急がなくてはならないとはいえ、行きよりはいくばくか気楽な帰り道だ。
 最初に気がついたのは誰だったろうか。ゆっくりと、だが確実に赤い向日葵が縮みはじめていた。探索者たちよりも背丈が低くなり、一気に見通しがよくなる。

「これなら一直線で出られるかな?」
 フランベルジュはリヤカーに結びつけていた白い紐を一気に手繰り寄せた。裂け目の外側にもくくりつけられていた紐がぴんと伸び、光明のように出口の方向を示す。ショートカットの出来上がりだ。
 そうして半分ほど歩いただろうか。じっと何かを考え込みながら歩いていたルークがはっと顔をあげた。
「まずい、裂け目が閉じ始めている!」
 ずっと空間に注意を払い続けていた彼は空間がひりつくようにして振動しはじめたのを察知したらしい。急いで、と号令をかける。負傷したダミアンとルジェナをそれぞれブルワークとフランベルジュが背負い、一気に冒険者たちは向日葵畑を駆け抜けた。
 走って、走って、息を切らしながら今や誰の目にも明確に震えはじめた裂け目を潜り抜ける。最後の一人が何とか元の世界に転がり込んで、ようやく彼らは顔を見合わせて笑いあった。全員が無事に帰還したのだ。
「あら、黄色い向日葵が」
 息を整えている最中に、ふとApaiserが閉じゆく裂け目を覗き込んで行った。見てみれば、裂け目の向こうの赤い向日葵畑にはちらりと黄色い花が混じっている。植えてきたものが見えているのか、それとも主を失ってなおあの空間は変化していくのか。
 それは彼等にはわからない。ただ確実なのは、あの赤と黄色の寄り添う花畑は彼らの活躍によってこそ出来たものである、という事だ。●出発
 ブロントヴァイレスの咆哮が響き渡る中で、助けを求めるスレイブの声はとてもか細くか弱いものだった。だが、そんな声であってもかき消させる事なく拾い上げる者たちがいた。
 8人の冒険者が、彼女『ルジェナ・ティエリー』の声に応えたのだ。
「皆よろしくね! 力を合わせて頑張ろう!」
 最初にそう言って全員を見回したのは『フランベルジュ』だ。赤髪をツインテールにまとめた少女の横で、一緒に散歩していたという彼女の スレイブ『スティレット』が小さく頭を下げた。
「救える人がいるのなら頑張りますっ」
 異様な空間の有様にちょっぴり気圧されて、スレイブ『リテラチャー』のメイド服の裾をぎゅっと握りながらクレリックの少女『コトト・スターチス』が答える。それに応じてそれぞれが頷き、同意を示した。

 急を要するとはいえ、無策でこの異様な異空間に飛び込むわけにもいかないだろう。集まった冒険者たちはそれぞれ出来る事を始める。どこか影の薄いドワーフ『Simple』はスレイブ『Sample』、ケモモナイトの女性『ブルワーク・スミス』やそのスレイブ『ブロッサム』に手伝われながらあり合わせの材料でリヤカーを作り上げていた。回復を受けているとはいえ足を負傷したルジェナを運ばなくてはならないし、その時にライン引き機能のついたものがあれば帰り道の心配もしなくて済む、という算段だ。

 その完成を待ちながら『ルーク・ヴァールハイト』は空間の歪みをじっと観察していた。淵の揺らぎを見つめながらじっと解析を行っているのだ。その横からひょっこり「ウリュリュお花だーい好きっ♪」とやってきたのが『ウリュリュ ドレッドメア』である。
「お花見てると元気が湧いてくるね」
 その言葉に明るい笑みで返したのがルークのスレイブ『ニフル』である。彼女もまた自分で育てるほどに花が大好きなのだ。
「……ウリュリュ様には下手に近づかぬよう配慮をお願い致します」
 その様子をウリュリュの傍に控えて見ていたスレイブ『グリーニア』はぽつりと呟くのだった。


 その後ろではスレイブ『Reposer』を従えた『Apaiser』がルジェナの足を治癒していた。負傷した足に手際よく当て木を添えて固定した。
「あ、ありがとうございます……」
「いえいえ」
 お礼を言うルジェナにApaiserはどこかのほほんとした調子で答える。
 リヤカーの完成を待つ間に、スレイブ『ソファー』を従えた横から『サークル=クロスロード』がルジェナに話しかけた。
「ヒマワリの種と植木鉢を持ってきたいのですが、店はどちらに?」
「花屋は相当遠いですが……。種と植木鉢、ですか?」
 聞き返されて、サークルは空間の裂け目を示した。裂け目の向こうでは延々と赤い向日葵畑が広がっている。あそこに黄色い向日葵を植えれば何かになるのではないか、と思ったのだ。それを聞いてルジェナは考え込む。永遠の静寂の未来の赤のヒマワリと、やがて枯れてしまうが種をつける事の出来る黄色いヒマワリ。その二つは決定的に異なるのだ、と彼は彼女に語る。
「種なら、以前仕入れたのがちょっと残ってたような気がします……」
 そう言って彼女は汚れてしまった鞄を拾い、底の方を探り始めた。サークルは静かにそれを見守る。種があるならそれでいい。あまり時間は残されていないのだ。
「これで大丈夫ですか?」
 ルジェナはサークルの手のひらの上にそっと向日葵の種をいくつか置いた。植木鉢は流石に用意できないが、直で植えてもきっと大丈夫だろう、と付け加える。あの空間の土がどれほどまっとうなものかは不明だが。
「十分です、ありがとう」
 サークルはルジェナに笑いかけ、Apaiserと協力して完成したリヤカーに乗せる。
 流石はドワーフの技術か、彼女を載せたリヤカーは押せば滑らかに進み始めた。
 いよいよ出発の時だ。

●向日葵畑
 リヤカーを運び入れて見渡してみれば、裂け目の向こうは何とも異様な世界だった。
 延々とどこまでも続く紅い向日葵の畑に、Simpleは思わずため息をつきそうになる。これではどちらに進めばいいのかまるで見当もつかない。
 空気が一切流れていない、停滞した世界だ。風は全く吹いていないのに、向日葵は時折ざわざわと揺れていた。まるで風が吹き抜けていくかのように向日葵は揺れるが、肌は全く空気の流れを感知しないのだ。視覚と触覚の情報がまるで一致していない。
 ああ、また風もないのに向日葵が一輪こちらを見降ろしてきた。いったい何なのか。
 そして、静かすぎる。狼の遠吠え以外何も聞こえてこないし、それにしたってどこか薄幕を一枚隔てたような響き方だ。この一面の向日葵が音を吸ってでもいるのかとすら思う。
 周りの冒険者たちに目をやれば、それぞれ皆落ち着かない様子だった。
「ゲート……空間の歪み、スレイブ、紅い向日葵……」
 呟き声に目を向ければルークが歩きながらぶつぶつと考え込んでいた。緊張気味なのも致し方あるまい。声の響きに気を配ってみれば、確かに吸音されているようだった。心に留めておく。

(ひまわり。私はあなただけを見つめる…が花言葉でしたっけ。ダミアンさんは誰かを想っているのでしょうか…?)
 コトトもまた、並ぶ向日葵に見降ろされながらかつて読んだ本の記憶を思い起こしていた。とはいえ、これだけの向日葵に見つめられたら、ちょっと怖いかもしれない。横を見れば、ルジェナが不安げに俯いている。
「ぼくたちがついていますから、絶対大丈夫ですよっ」
 コトトの励ましに、彼女は強張った笑みを浮かべた。

 一方、無邪気にふるまっている者もいることにはいる。
「わあーすっごいきれーなお花ー!!」
 10歳の少女ウリュリュは一面の花畑に目を輝かせてぱたぱたと歩き回っていた。そうしてから「でも何だかすっごく変な感じがするなぁ~?」と首を傾げる。
 みそぎを使えば黄色くなるのかな、と試してみたり、自身にまじないをかけてジャンプしてみたりと目まぐるしい事この上ない。ただ、あまり成果は得られていないようだった。
 相も変わらず向日葵は異様な赤色で彼女を見降ろしていたし、驚異的なジャンプ力を得ているとはいえ元々の身長は高くないのだ。それに、滞空時間を考えると周りを見回して人を探すのは中々に難しそうだ。
「肩車とかの方が探しやすいと思うが」
 その様子を見ていたブルワークが提案した。確かにそれなら視点が揺れる事もなくしっかり探せるだろう。
「では私が」
 そう言って立候補したのはフランベルジュだった。15歳といえど立派なウォーリアである。リヤカーの警護をナイトのブルワークに任せて自身が肩車に回った方がいいだろうという判断だ。ブルワークもそれに同意して、「獣だの何だのはこちらに任せろ」と言うように強気に笑って見せた。
「フランねーねにもおまじないかけてあげるー♪」
「わっ、力が漲ってきたよ!すごい、すごいよウリュリュちゃん!」
 フランベルジュはウリュリュの手を握ってお礼を言う。そうして彼女はルークに声をかけた。集まったメンバーの中では彼が一番身長が高く、ついでに言うと痩せ気味なのでいくらか乗せやすい。
 ルークの方は考え込んでいたせいか若干反応が鈍かったが、すぐに意図を理解するとフランベルジュに目線を合わせるようにして屈みこんだ。

「では、恐縮ですがフランベルジュさん失礼いたします」
「うーん、んしょ!」
 そうしてそのまま肩車に乗り、一気に視線が持ち上がる。彼はじっくりと周囲を見渡した。

 開けた視界の先には赤い地平線が広がっていた。その上に広がるのは不自然なほど雲一つ見当たらない青空だ。どうかしているとしか思えないコントラストに、少しだけ視線を下げて向日葵の絨毯に意識を向ける。
 密度がまばらな部分がある事はすぐに気づけた。迷宮のように曲がりくねった道がいくつも出来ている。そして、上から見てみれば何となく向日葵の向く方向にも規則性のようなものが見えてくる。何となく、このあたりの向日葵はそろって右を向いているようだ。
「ルークさん、どうかな? 何か見えそう?」
「向日葵の向きから見ると大体あちら側に何かありそうな気配がします」
 そちら側に続く道を探し、目星をつけてから降ろしてもらう。彼の先導に従って一行は進み始めた。フランベルジュが持参した白い紐を後ろへと伸ばしながら、交代でリヤカーを引きながら前へと進む。
「うーん、んしょ!」
 時々道が分かれたり方向がずれたりすると再び肩車に乗り、方角を確かめる。これの繰り返しだ。
「……かなりこの先が迂回していますね。この壁を越えられたらいいんですが」
「壁ですか」
 周囲で警戒にあたっていたサークルが一歩前に出た。目を凝らせば、並ぶ向日葵の向こうには今いるのと同じような道が見える。
 彼は静かに創作拳法の構えをとった。一呼吸、意識を集中させてから鮮やかな回転キックを繰り出す。足払いの応用で目の前の向日葵をなぎ倒したのだ。
 ぱさりと音をたてて向日葵が倒れ、道が開ける。だが、それと同時に赤い液体が倒れた向日葵から飛んだ。軽やかに後ろに飛んでそれを避けたサークルは液体をじっと見降ろす。
 向日葵以外にもこの空間のヒントになるものがあるのではないかと考えていたSimpleはそれをじっと覗き込んだ。さらさらとした樹液のようにも見える液体。だが、その匂いは覚えのあるものだ。
「鉄の匂いだね」
「……これはあまり折らない方がよさそうですね」
 ストレートなSimpleの指摘に、サークルは頭を掻いて答えた。
 とはいえ、道は開けたのだ。一行は確実に突き進んでいく。


●思い出
 この空間はひどく静かだ。獣の遠吠えくらいしか響いてくるものがない。そんな中で、リヤカーの横を歩いていたApaiserはルジェナにこんなことを尋ねた。
「ダミアンさんってどんな人なんですか?」
 ルジェナの気晴らしと情報収集を兼ねた問いに、ルジェナは少し不思議そうな顔をした。「主人ですか? ……優しくて明るい人です」
 その答えに、ヘンゼルとグレーテルよろしく軌跡に小石を並べていたコトトも尋ねた。向日葵はルジェナさんとダミアンさんにとっても思い出の花なのか、と。
 思い出話を聞かせてもらえないか、とApaiserとコトトに言われてルジェナはぽつぽつと語り始めた。

 最初に出会った時が向日葵の咲き誇る季節だったこと。その時に彼女の茶髪によく似合うと言って飾ってくれたこと。花屋を立ち上げた時に一緒に看板を作ったこと。夕日を一緒に眺めたこと。
 穏やかなApaiserたちの相槌に促されるようにして、そういった事をぽつりぽつりと柔らかい表情でルジェナは語った。
「……でも、そういえば」
 主人はどこか遠い目で向日葵を眺めていた事がありました。いや、向日葵の向こうにある物を見ていたのかもしれません。思い出したようにルジェナは呟いた。
 忘れられない程物憂げな顔をしていたのに、彼女に気付いた瞬間いつもの穏やかな微笑に戻っていたのだ、という。そして彼がそのような顔を彼女に見せる事は二度となかった。
「何でもないよ、としか……言って、くれなかったんですよね……私には」
 ルジェナの声はだんだんと小さくフェードアウトしていった。再び空間を静寂が支配しようとしはじめる。それに気付いたルジェナは何か言おうとしたが、それが声になる事はなかった。ウリュリュが彼女を抱きしめていたからである。
「ウリュリュも頑張ってダミアンにーにを探してあげるね!!」
「……っ」
 おずおずとルジェナはその温かみに腕を回した。話を聞いてもらった事で感情が決壊したのか、肩を震わせて抱きしめる。二つの鼓動が一緒になった。
 彼女の感情によるものなのか、巫女の勘とでも呼ぶべきものなのか、あるいはこの空間に眠るダミアンにそれが届いたのか。
 ウリュリュはぴくりと顔を上げた。そうして、“ダミアンにーに“が近くにいる気がする、と告げる。

「うぅー…コトトちゃんごめんね! 少し回復してもらってもいいかな? ありがとう!」
 それに応えてすぐにフランベルジュはコトトから回復を受けながらルークを肩車した。ルークは見慣れた風景に視線を巡らせ、変化に声を上げる。ある程度揃っていたとはいえばらけた方角を向いていた向日葵たちは、今や一点を見据えている。そこに太陽でもあるかのように。
「向日葵が一点を向いています……!」
 彼は一点を指さし、そのままその先に目を凝らした。
「あそこだけやけに開けた場所がありますね……。っ! 男性が一人倒れてるのが見えます!」
 鋭い叫びに、全員がペースを上げた。


●覚醒
 問題の開けた場所にはすぐに辿り着いた。 向日葵の壁を掻き分けるようにして、先陣を切ったブルワークが道を開ける。そしてその先に広がった光景に絶句した。
「……墓?」
 その呟きにSimpleが後ろから空白地帯を覗き込み、息を呑む。
 散らばる眩い黄色の向日葵。そしてその花束を抱いて眠る傷を負った男、ダミアン・ティエリー。そしてその傍らには。

 木製の十字架が倒れ伏したダミアン・ティエリーの横に佇んでいた。極めて簡素で、木を二本組み合わせたような作りの物だが、それが何を示しているかは明白だ。何故こんなところにこんなものがあるのか。
 最初に我に返ってダミアンに駆け寄ったのはコトトだった。
「起きてください! ルジェナさんが心配していますから……!」
 傷を負って横たわった彼に治癒の雫を使い、必死に呼びかける。傷が少しずつ浅くなり、わずかに呻き声のようなものがあがるが、意識が戻る様子はない。続いて同じクレリックであるApaiserも駆け寄って、回復を施しながら呼びかける。
「安心してください、ルジェナさんも無事です。……ね、ルジェナさん」
「はい! ダミアン、私は助けてもらいました、後はあなたと帰るだけです」
 Apaiserの目配せを受け、光景に絶句していたルジェナもダミアンに呼びかける。身を乗り出したせいでがくんとリヤカーが傾いた。ブルワークに背負われるようにして彼女は倒れたダミアンの横に膝をつく。

「わたしは生きています。夢の中の、永遠に咲き続ける向日葵と違っていつか枯れる身だとしても、今を生きています。どうか夢から覚めて……!」
 サークルが語ったように、静寂の中を咲き続ける永遠の花と枯れても種を遺す花は違う。そして、一粒の麦は地に落ちて死ななければ一粒のままだ。
 その声に、ざわざわと彼らを取り囲む紅の向日葵が揺れた。同時に、ダミアンの瞼が震えてゆっくりと持ち上がった。
「……ダミアン?」
 ルジェナの呼びかけに、ダミアンは唇の端を上げて答えて見せた。冒険者たちの手助けを受けて、彼は夢から帰ってきたのだ。

●黄色い向日葵
 二人がかりとは言え、ずっと傷ついて眠っていた人間が回復するのには時間を要する。回復を待つ間、Simpleはじっと墓を観察していた。近寄って表面をなぞってみても、名前らしきものはどこにも書かれていない。
(いっそ発掘してみれば何かわかるかもしれない……?)
 屈みこみ、土に触れる。少し掘り起こすが特に手ごたえもない。外れか、と思った時に後ろからサークルがやってきていた。
「土、掘っていてくれたんですね。これを植えようと思っていたんです」
 そう言って彼は掘り返されたばかりの土に丁寧に向日葵の種を植えていく。まあ、これで今何が埋まっているかははっきりした訳だ。Simpleの思考をよそに彼はついでにこれも植えてしまいましょうと散らばった向日葵も植え始めた。協力して作業を終え、後ろを見ればダミアンは何とか半身を起こしてルジェナたちと言葉を交わしていた。今から二人をリヤカーに乗せようという所のようだった。

 ルジェナが先に乗り込んでいる間にSimpleはダミアンのそばに歩み寄った。周囲を指して問いかける。
「これは一体何だったの?」
「ムーランルージュですか」
 花の名前だろう。実際には空間に関する説明を求めていたのだが、この場合はほぼ同義だ。頷きに対し、ダミアンは苦々しい笑いを浮かべた。
「かつて、似合う人がいたんですよ。昔の話です」
 とっくに忘れたつもりだったんですが、情けない話です。それに彼女にも申し訳ない事をした。バツが悪そうな表情を浮かべながら赤い向日葵を見あげる。

「ですが、君が抱いていたのは黄色い向日葵でしょう。ほら」
 君は過去に生きている人間ではない、と現れたサークルは植わった黄色の向日葵を指し示す。
「……そうですね。ありがとうございます」
 彼は微笑んで、助けを受けながらリヤカーに乗り込んだ。それはルジェナが語った通りの、優しくて明るい表情だった。

●帰路
 リヤカーの轍と、要所でコトトが置いた小石を辿りながら一向は来た道を引き返す。急がなくてはならないとはいえ、行きよりはいくばくか気楽な帰り道だ。
 最初に気がついたのは誰だったろうか。ゆっくりと、だが確実に赤い向日葵が縮みはじめていた。探索者たちよりも背丈が低くなり、一気に見通しがよくなる。

「これなら一直線で出られるかな?」
 フランベルジュはリヤカーに結びつけていた白い紐を一気に手繰り寄せた。裂け目の外側にもくくりつけられていた紐がぴんと伸び、光明のように出口の方向を示す。ショートカットの出来上がりだ。
 そうして半分ほど歩いただろうか。じっと何かを考え込みながら歩いていたルークがはっと顔をあげた。
「まずい、裂け目が閉じ始めている!」
 ずっと空間に注意を払い続けていた彼は空間がひりつくようにして振動しはじめたのを察知したらしい。急いで、と号令をかける。負傷したダミアンとルジェナをそれぞれブルワークとフランベルジュが背負い、一気に冒険者たちは向日葵畑を駆け抜けた。
 走って、走って、息を切らしながら今や誰の目にも明確に震えはじめた裂け目を潜り抜ける。最後の一人が何とか元の世界に転がり込んで、ようやく彼らは顔を見合わせて笑いあった。全員が無事に帰還したのだ。
「あら、黄色い向日葵が」
 息を整えている最中に、ふとApaiserが閉じゆく裂け目を覗き込んで行った。見てみれば、裂け目の向こうの赤い向日葵畑にはちらりと黄色い花が混じっている。植えてきたものが見えているのか、それとも主を失ってなおあの空間は変化していくのか。
 それは彼等にはわからない。ただ確実なのは、あの赤と黄色の寄り添う花畑は彼らの活躍によってこそ出来たものである、という事だ。



依頼結果

大成功


依頼相談掲示板

【創造の光】赤が咲き乱れる時空間異常 依頼相談掲示板 ( 41 )
[ 41 ] コトト・スターチス  ヒューマン / クレリック  2017-07-02 10:43:51

時空の歪み……?
もうすぐ出発ですが、たぶん直接は関係ない……ですよね?  
 

[ 40 ] コトト・スターチス  ヒューマン / クレリック  2017-07-01 02:06:09

ルークさんまとめありがとうございますっ!
ルジェナさんとダミアンさんの応急処置はお任せください!
他にも、もしものケガにも対応しますね。  
 

[ 39 ] フランベルジュ  ヒューマン / ウォーリア  2017-06-30 21:20:49

私は、ウリュリュちゃんにまじないの力で強化してもらったらルークさんを肩車するよ!
あとはそうだね~肩車していない間は周囲を警戒にしてるよ!  
 

[ 38 ] ルーク・ヴァールハイト  デモニック / メイジ  2017-06-30 20:43:38

現状決まってると思われるのを書いてみました。  
 

[ 37 ] ルーク・ヴァールハイト  デモニック / メイジ  2017-06-30 20:42:58

私は肩車をさせてもらう?
スターチスさんApaiserさんはルジェナさん&ダミアンさんの応急処置と味方の補助?
肩車していない間は周囲の警戒でしょうか・・?

 
 

[ 36 ] ルーク・ヴァールハイト  デモニック / メイジ  2017-06-30 20:39:23

Simpleさんリヤカー&ライン引きを作る
クロスロードさん植木鉢とヒマワリの種の発見、後合流
ドレッドメアさん肩車する方を強化
スミスさんフランベルジュさんどちらかが肩車をする?  
 

[ 35 ] ブルワーク・スミス  ケモモ / ナイト  2017-06-30 07:39:53

すまん…… 少し体調を崩してしまってな。今は完治した。
とりあえず、リアカーを守ればいいのか?  
 

[ 34 ] フランベルジュ  ヒューマン / ウォーリア  2017-06-30 01:16:52

ウリュリュちゃんありがとう!
よーし頑張っちゃうよ!  
 

[ 33 ] ウリュリュ ドレッドメア  デモニック / シャーマン  2017-06-29 23:41:53

じゃあフランねーねにおまじないかけてあげるね~♪  
 

[ 32 ] ルーク・ヴァールハイト  デモニック / メイジ  2017-06-29 08:00:04

女性の上に乗るのは大変恐縮ではありますが、一番高さを確保できそうですね。

目印になるもの・・・ふむ  
 

[ 31 ] フランベルジュ  ヒューマン / ウォーリア  2017-06-29 00:57:24

そっか~身長高い人が下だと思ってたけどコトトちゃんの言うことも一理あるね!
ウリュリュちゃんにおまじないで身体能力を上げてもらえれば、
身長差はあるけどルークさんを持ちあげられるかも…!  
 

[ 30 ] ウリュリュ ドレッドメア  デモニック / シャーマン  2017-06-29 00:44:50

ウリュリュは巫女だからおまじないでジャンプ力を上げたりできるよー!  
 

[ 29 ] コトト・スターチス  ヒューマン / クレリック  2017-06-28 23:53:05

あと、帰り道の覚え方についてもちゃんと考えないとですねっ!
空間が歪んだりしなければ、何か目印的なものを残しつつ進むのがよさそうですが……。  
 

[ 28 ] コトト・スターチス  ヒューマン / クレリック  2017-06-28 23:51:05

うーん、確かにどうしてこんな場所になったのでしょうね?

【肩車】持ち上げる方が大丈夫そうなら、ある程度身長の高い方が上になる方が遠くまで見えそうですね!
ぼくだとあまり見えなさそうです……(しゅん)  
 

[ 27 ] フランベルジュ  ヒューマン / ウォーリア  2017-06-28 22:44:24

全員揃ったね!改めてみんなよろしく!
身長筋力体力考えると、肩車する側はブルワークさんが良さそうかな?
肩車される側は…誰がいいかな。  
 

[ 26 ] ルーク・ヴァールハイト  デモニック / メイジ  2017-06-28 07:54:12

Apaiserさんの解釈は大変興味深いです(ふむふむ

これで8人目揃いましたね。  
 

[ 25 ] ウリュリュ ドレッドメア  デモニック / シャーマン  2017-06-28 00:36:23

ウリュリュはねーおおかみさん探すのー!  
 

[ 24 ] Apaiser  エルフ / クレリック  2017-06-27 19:18:32

解釈2
墓と向日葵→ルジェナのモデルは娘→娘は星の落下ですでに死→星からルジェナを造るダミアンはスレイブ製造者の一人→のちのアニマのもとを作る→異空間を作れる事からローブの者と何らかの関係。なんてね…  
 

[ 23 ] Apaiser  エルフ / クレリック  2017-06-27 19:03:53

ストリー気ままな解釈1
ルジェナ髪飾→黄向日葵→赤向日葵他のスレイブの死→周囲に彼女との思出品→空白地域は今の異空間→墓と彼の黄向日葵はルジェナの死の思い込みが形に現れた→ルジェナの声で起こし解決  
 

[ 22 ] ルーク・ヴァールハイト  デモニック / メイジ  2017-06-27 18:47:34

Apaiserさん、ありがとうございます。

不明さん除いて私が一番高いみたいですね。
ですが、非力なもので肩車できるかどうか怪しいです・・・(肩を落としつつ

コトトさんぐらいなら・・  
 

[ 21 ] Apaiser  エルフ / クレリック  2017-06-27 18:25:00

背の順
コトトさん117cm
フランベルジュさん145cm
自分Apaiserは150cm
Simpleさん150cm
サークルさん165cm
ブルワークさん170cm
ルークさん179cm
不明1人  
 

[ 20 ] サークル=クロスロード  ヒューマン / グラップラー  2017-06-27 12:31:24

ヒマワリからの道案内も肩車作戦でなんとかなりそうですね。  
 

[ 19 ] サークル=クロスロード  ヒューマン / グラップラー  2017-06-27 12:30:26

Simpleさん、じゃあリヤカーをお任せします。花屋には私が向かいます、後程合流しましょう。引いて頂いた白線ラインを追って
植木鉢とヒマワリの種を全速力で届けにいきますね。  
 

[ 18 ] コトト・スターチス  ヒューマン / クレリック  2017-06-27 11:47:39

肩車っ!(きらきら)
……はっ!? と、とにかく肩車はいいアイディアだと思いますっ。
ひまわりの背丈よりも高くなるような組み合わせが良さそうですね。
 
 

[ 17 ] ルーク・ヴァールハイト  デモニック / メイジ  2017-06-27 07:47:58

赤い向日葵やたらと咲き乱れています。背丈は2.5 mほど
みたいですね

どこまで見渡せるか、肩車する人は誰と誰にするのか が重要だと思われます。  
 

[ 16 ] フランベルジュ  ヒューマン / ウォーリア  2017-06-27 01:07:38

向日葵の高さがどのくらいかわからないけど、
肩車で上から覗いたりすることってできないかな?
向日葵のない地帯や危険も回避できそうな感じがする…皆はどう思うかな?
 
 

[ 15 ] ルーク・ヴァールハイト  デモニック / メイジ  2017-06-26 23:19:54

他の人はリヤカーを囲って周りを警戒しつつ進む。

こんな感じを聞いてみてイメージしました。  
 

[ 14 ] ルーク・ヴァールハイト  デモニック / メイジ  2017-06-26 23:18:49

回復役のクレリックに、探索に適したシーフがいらっしゃるので
リヤカーの中で、クレリックの方が負傷者を回復させつつ シーフの方の先導で探索・・ですかね?  
 

[ 13 ] Simple  ドワーフ / シーフ  2017-06-26 23:10:48

ではそのリヤカーを私が作ろうか。それにライン引き的をつけて帰り道もクリアかな。
ただリヤカーに乗せた(抱き抱えた)ルジェナが花屋に行くのは時間の猶予がないのでは?  
 

[ 12 ] サークル=クロスロード  ヒューマン / グラップラー  2017-06-26 22:13:05

今彼が抱いているやがて枯れてしまうが種をつける黄色く咲く
ヒマワリの違いをルジェナに叫んでもらい、彼の夢を覚まさせます。
空間の異常と謎に注意を払い、起きた事や対策を皆と共有していきます。以上です。  
 

[ 11 ] サークル=クロスロード  ヒューマン / グラップラー  2017-06-26 22:12:18

ルジェナにはヒマワリの種と植木鉢を花屋から持ってきてもらい、彼の抱くヒマワリをそこに植えてもらう。
夢の中の永遠の静寂の未来の赤のヒマワリと、  
 

[ 10 ] サークル=クロスロード  ヒューマン / グラップラー  2017-06-26 22:10:33

リヤカーに乗せてルジェナを連れていく。近づく敵や危険、障害物はパンチやキックで対応。
リヤカーはスレイブで引いたり場合に応じて自分で引く。または、どうしようもない時はルジェナを抱き抱えて走る。
 
 

[ 9 ] サークル=クロスロード  ヒューマン / グラップラー  2017-06-26 22:09:28

私のプランを先に公開させて頂きます。後でみなさんのプランを見て調整をかけていきますね。  
 

[ 8 ] サークル=クロスロード  ヒューマン / グラップラー  2017-06-26 22:07:45

グラップラー、サークルです。ホアチョウ!宜しくお願いしますね。  
 

[ 7 ] ルーク・ヴァールハイト  デモニック / メイジ  2017-06-26 20:05:04

8名中6名がはっきりしましたね。
職も豊富に揃っているようなので、上手く行動できそうです。  
 

[ 6 ] Simple  ドワーフ / シーフ  2017-06-26 12:47:11

ドワーフでシーフをしてますSimpleと申します。
以後お見知りおきを。  
 

[ 5 ] Apaiser  エルフ / クレリック  2017-06-26 12:36:44

エルフのクレリックApaiser(アぺゼ)です。
宜しくお願いします。  
 

[ 4 ] ブルワーク・スミス  ケモモ / ナイト  2017-06-26 07:51:51

ナイトのブルワークだ。
よろしくな!  
 

[ 3 ] コトト・スターチス  ヒューマン / クレリック  2017-06-25 21:56:58

皆さんお疲れさまですっ!
ぼくはクレリックのコトトです。どうぞよろしくお願いしますっ!  
 

[ 2 ] フランベルジュ  ヒューマン / ウォーリア  2017-06-25 14:30:47

ウォーリアのフランベルジュだよ!
よろしくね!  
 

[ 1 ] ルーク・ヴァールハイト  デモニック / メイジ  2017-06-25 14:23:44

メイジのルーク・ヴァールハイトです。
よろしくお願いします。