吸血鬼。 それは、人間の血を吸い、永い時間を生きる怪物だ。
吸血鬼は人間の倍の力を持ち、普通の人間では吸血鬼に勝つ事は出来ない。
そんな吸血鬼が、ある村を襲った。
「殺されたくなければ若い人間を寄越せ」
村を襲った吸血鬼は三体。
男の吸血鬼が二体、女の吸血鬼が一体だ。
全員吸血鬼の特徴である白髪に赤い目を持っている。
一体目は頬にキズがあり、長身の男の吸血鬼。 この吸血鬼が三体のリーダーらしい。
二体目はメガネを掛けた頭の良さそうな男の吸血鬼。
三体目は長い白髪でスタイルのいい女の吸血鬼だ。
吸血鬼が襲ったこの村は小さく、戦える者は少ない。
「貴様がこの村の長か。 若い人間を出せ」
「か……帰れ吸血鬼……!」
吸血鬼に胸倉を掴まれても、村長である老人は村人の事を話さなかった。
村長を掴んでいた吸血鬼は村長を地面に叩きつける。
「ふん。 貴様が口を割らないならそれでいい。 こちらで勝手に探すさ」
「あら、私このおじ様気に入ったわ! ねぇオルガ、このおじ様の血を吸ってもいいかしら?」
唯一の女の吸血鬼が村長の首を触りながらオルガと呼ばれたリーダーの吸血鬼に言う。
するともう1人の吸血鬼が。
「やめときなよサリー。 老人の血は不味いんだよ。 君不味い血を飲むと不機嫌になるじゃないか」
「……ラースの言う通りね。 不味い血は飲みたくないわ」
ラースと呼ばれたメガネを掛けた吸血鬼に言われたサリーという吸血鬼は、村長の首から手を離す。
「……早く若い人間を探すぞ。 早く血を吸いたい」
オルガが若い人間を探す為に歩き出すと、近くの宿から勢いよく1人の少女が飛び出して来た。
「待って! 」
飛び出して来た少女は両手を広げ、吸血鬼三体の前に立ち塞がる。
少女は金髪の長い髪で、15歳くらいの可愛らしい見た目だ。
「あら、可愛い女の子じゃない。 あの子私の物ね!」
「勝手に決めないでよサリー、あの子は僕の物だ」
オルガの後ろで言い争う二体には構わず、オルガは自分の舌で唇を舐める。
「貴様、さては貴族の娘だな?」
少女が身につけている数々のアクセサリーから判断したのだろう。
少女は頷く。
「そうよ! 私は貴族の娘、メイよ! 私があなた達に捕まってあげるから、この村に手を出さないで!」
少女にそう言われ、オルガは考える。
そして……。
「良いだろう。 貴様で我慢してやる、こっちへ来い」
「ちょっとオルガ!? 何考えてるのよ! あの子1人じゃ足りないでしょ!?」
「よく考えろサリー、あいつは貴族の娘だ。
あいつの親から金を奪い取り、その金を使って沢山の人間を捕まえればいい」
金さえあれば人間はいくらでも手に入る。 とオルガは小声で二体の吸血鬼に言う。
二体の吸血鬼は納得したのか、何も言わなくなる。
そしてオルガの前に来たメイは。
「この村には手を出さないって約束して!」
「あぁ。 約束しよう」
そう言うと、オルガはメイの腹を殴り気絶させ、肩に担ぐ。
そして大声で叫ぶ。
「この娘の親に言う! この娘を返して欲しければ大量の金を用意しろ!!
我々は山の中にある屋敷にいる! 10日以内に金を用意して屋敷まで持って来い!」
そう言って吸血鬼達は貴族の少女、メイを連れて村を出て行った。
震えて見ている事しか出来なかったメイの両親は、吸血鬼達が村を出てすぐにギルドに行き、娘の救出を依頼した。
貴族からの依頼です。
依頼内容は、「吸血鬼に攫われた娘を助けてほしい」というもの。
吸血鬼は人間の倍の力を持つと言われていますが、弱点が無いわけではありません。
吸血鬼は光、十字架、聖水に弱いと言われています。
依頼主である少女の父親は、十字架と聖水を人数分用意すると言っています。
なので吸血鬼と戦う際は弱点を攻めれば楽に倒せるかもしれません。
また、吸血鬼は三体居ます。 三体が揃うと厄介なので、分断して戦うと良いでしょう。
もし仲間と協力体勢をとる場合は、グループアクションということで『GA【グループ名】』という記述をアクションプランの冒頭に入れて下さい。
こんにちは! GMの皐月 遊です!
今回は幻想的絶頂カタストロフィーの方にエピソードを投稿させて頂きました!
戦闘シーンを書くのが好きです!
吸血鬼とPLさん達がどんな風に戦うのか、書くのが楽しみです!
吸血鬼に攫われた貴族の少女を救え! エピソード情報 | |||||
---|---|---|---|---|---|
担当 | 皐月 遊 GM | 相談期間 | 5 日 | ||
ジャンル | --- | タイプ | EX | 出発日 | 2017/8/18 |
難易度 | 普通 | 報酬 | 通常 | 公開日 | 2017/8/28 |
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参加者一覧
ジーン・ズァエール( ルーツ・オリンジ ) | |
ヒューマン | ウォーリア | 18 歳 | 男性 |
ステラ・ザクセン( エノン・ザクセン ) | |
ヒューマン | ウォーリア | 20 歳 | 女性 |
ナイトエッジ( シース ) | |
ヒューマン | ウォーリア | 17 歳 | 男性 |
空屋( シロア ) | |
ヒューマン | シーフ | 23 歳 | 男性 |
夾竹 透乃( アマリリス ) | |
ヒューマン | ウォーリア | 20 歳 | 女性 |
コウユウ( ヒナ ) | |
ヒューマン | ナイト | 25 歳 | 男性 |
リザルト
【出発前】
吸血鬼が貴族の少女、メイを攫ってから2日後、村に6人の冒険者がやって来た。 この6人の冒険者は、メイの親がメイの救出をギルドに依頼し、その依頼を受けた者達だ。
現在、依頼主である貴族の部屋の前に冒険者の6人が集まった。
「冒険者の皆様、今回は依頼を受けていただき感謝いたします……!」
貴族の男は冒険者達に頭を下げる。
「自ら人質になるとはタフな女だ。嫌いじゃねえし吸血鬼にはもったいねえ。 吸血鬼なんざとっととぶっ倒してやるぜ!」
【ジーン・ズァエール】がそう言うと、貴族の男はまた深く頭を下げた。
「今回、吸血鬼の弱点である聖水と十字架を人数分ご用意しました」
「その事なんだけどさ、人数分って事は、スレイブの分もあるのかな?」
【夾竹 透乃】は、横にいるスレイブ、【アマリリス】を見て言った。
「もちろんです。 皆様の文とスレイブの分、合計12個の聖水と十字架をお渡しします」
そう言うと、貴族の男は机の上に12個の聖水と十字架を置いた。
「それは助かりますぜ。 んで、頼み事なんだが、誰か聖水を使わない人がいたら俺に恵んでくれねぇか?」
【コウユウ】は、他の冒険者を見て聖水を恵んで貰えないか頼む。
「でしたら私とエノンの聖水をコウユウさんにお渡しします」
【ステラ・ザクセン】はそう言うと、机から2つの聖水を取り、コウユウに渡した。
コウユウは聖水を受け取り、カバンに入れる。
「助かるぜザクセン嬢」
「聖水と十字架を受け取ったなら、早く屋敷に向かった方がいいだろう。 人質がどうなるか分からん」
【空屋】は、聖水と十字架を持ち、椅子から立ち上がる。
「待て。 身代金で吸血鬼を油断させて一気に仕留めた方が楽そうだ。 おい、金は用意出来るか?」
【ナイトエッジ】は貴族の男をまっすぐ見て問う。 貴族の男はゆっくりと頷き、部屋を出て行き、大きめの袋を持って戻ってきた。
「ここに、十分なお金があります。 これで吸血鬼達は満足するでしょう」
袋の中には、大きな屋敷を建てても余る程の大金が入っていた。
それを見た冒険者達はゴクリ……と唾を飲み込む。
「安心して下さい。 このお金が吸血鬼に渡る事はありません。 あくまでもこのお金は吸血鬼を油断させるためのものです」
「その通りだぜ。 吸血鬼はぶっ倒す、金なんて渡すかよ」
ステラ・ザクセンに続いてジーン・ズァエールが言う。
それから冒険者達は各々準備を開始した。
そして、全員の準備が完了すると、貴族の男に見送られながら冒険者達は吸血鬼の屋敷へと向かった。
――――――――――――――――――――
【吸血鬼の屋敷】
村から出発し、歩き続ける事数時間。 冒険者達はようやく吸血鬼の屋敷へとたどり着いた。
「うわぁー、大きな屋敷だねぇ」
「だな、吸血鬼にはもったいないくらいだぜ」
屋敷を見上げる夾竹 透乃の横で、ジーン・ズァエールが羨ましそうに屋敷を見る。
吸血鬼の屋敷は3階建ての貴族が住んでいてもおかしくない豪邸だが、森の中という不気味な環境のせいで台無しだ。
「中に入ったら俺は人質救出の機会を伺う。 吸血鬼との交渉は任せるぜ」
コウユウはカバンから水鉄砲を取り出し、その中に水で薄めておいた聖水を入れる。 それと同じ物をもう1つ用意し、スレイブの【ヒナ】に渡す。
「……準備出来たならもう行くぞ」
コウユウが水鉄砲を準備し終えたのを確認すると、ナイトエッジが扉を開け、ナイトエッジを先頭、そして空屋を1番後ろにして屋敷の中へと入った。
屋敷の中はとても暗く、外見と同じように不気味だ。 明かりは壁に掛けてあるロウソクのみで、とても暗い。
「吸血鬼はどこでしょうか」
「ちっ……さっさと姿を見せやがれ」
ステラ・ザクセンと空屋が辺りを見回すが、吸血鬼が何処にいるか分からない。
「人間が僕達の屋敷に何の用かな? 血をくれるのかい?」
突然、何処かから聞こえた声に、冒険者達は身体を震わせる。
辺りを見回しても誰もいない。
居るのは1匹のコウモリだけだ。
「コウモリ……? なるほど、お前が吸血鬼か」
ナイトエッジは屋敷の中を飛び回るコウモリをジッと見て言う。
するとコウモリが人型に変形し、情報にあった眼鏡を掛けたラースという名前の吸血鬼が現れた。
「そうだよ。 それで、君達は何かな? 」
「貴族の娘がこの屋敷に居るはずだ。 返してもらうぜ」
ラースを睨みながらジーン・ズァエールが言う。
ラースは目の前の6人を1人1人ジッと見ると。
「なるほど、君達は冒険者か。 あの娘の親がギルドに依頼したんだね。 まったく……面倒くさい事をしてくれたなぁ…… 」
「この袋の中に大金が入ってるわ。 このお金と人質を交換しましょう」
そう言ってステラ・ザクセンはお金が入った袋を地面に置く。
「ふーん……まぁいいや。 何かあったら殺せばいいし。 いいよ、人質に会わせてあげるよ」
ラースは大金が入った袋を持つと歩き出した。 冒険者達はラースに着いて行った。
――――――――――――――――――――
【吸血鬼との戦闘】
ラースに着いて屋敷を歩く事数分、ある扉の前でラースが止まった。
そしてラースはその扉を開け、中に入る。
「オルガ、サリー。 話は聞こえてたでしょ? どうする?」
「ちゃんと金は確認したのか?」
「してないよ。 でも重さ的に偽装じゃないと思う」
「ふーん。 じゃあさっさと人質返しちゃえば?」
冒険者達の前で、吸血鬼三体が話し合っている。
ラース以外の二体は椅子に座って優雅に紅茶を飲んでいる。
そして、部屋の奥で縛られて座っている金髪の少女、メイが目に入った。
「いいだろう。 サリー、人質を連れてこい」
「はいはい。 まったく、人使いが荒いんだから……」
「君は人じゃないだろ?」
サリーがメイの元に行くために後ろを向いた瞬間、コウユウとヒナが同時に動いた。
「喰らいやがれ!」
そして、コウユウとヒナが持っている水鉄砲から撃たれた聖水がオルガとラースの顔に掛かる。
「ぐぅっ!?」
「うわっ!? 目が……!」
「はっ! ざまぁみろ吸血鬼! まさか聖水を飛ばしてくるとは思わなかっただろ! 」
コウユウとヒナがそのまま水鉄砲を撃ちまくっているおかげで、オルガとラースは動く事が出来ない。
その隙に他の冒険者が動く。
「えっ!? ちょっと何!?」
「邪魔よ!」
驚いて振り向いたサリーに、ステラ・ザクセンが片手剣を振り下ろす。 だが寸前でサリーは自分の片手剣でステラ・ザクセンの片手剣を防ぐ。
「危ないわね!」
「えいっ!」
ステラ・ザクセンの片手剣を防ぐのに集中していたサリーの背中を、夾竹 透乃が両手斧で斬りつける。
「痛ったいわね! 」
「へへへっ! 私達と戦おうよ! そっちが勝ったら金だけじゃなくて私達も手に入っちゃうよー!こっちが勝ったら…そっちは死んでるね!!」
そう言って夾竹 透乃は口に聖水を少し入れ、そのままサリーと戦い始める。
冒険者達が吸血鬼を足止めしている隙に、空屋は人質の少女、メイの元へたどり着く。 空屋は素早くメイの縄を解く。
「ありがとう! 冒険者さん!」
「……あぁ。 【シロア】、この娘の相手を頼む」
「了解しました。 さぁ、私と一緒にこの屋敷を出ましょう」
空屋のスレイブ、【シロア】に連れられ、メイは部屋を出て行った。
そのタイミングで、これまでずっとオルガとラースを足止めしていたコウユウとヒナの水鉄砲の中に入っている聖水が無くなった。
「貴様ら……! 絶対に許さんぞ!!」
オルガは怒りで顔を真っ赤にし、凄まじい速度でコウユウに向かってきた。
コウユウは現在水鉄砲に聖水を入れている途中だ。
「……ヤベッ」
オルガの剣がコウユウに当たる直前、オルガが横に飛ばされ、壁に激突した。
「オルガだったか、お前の相手は俺だ! かかってこい前髪ブーメラン!」
オルガを飛ばしたのはジーン・ズァエールだ。 ジーン・ズァエールの武器、グレートソードには聖水が塗られており、それに斬られたオルガの腹からは血が流れてきている。
「くっ……人間が……!」
オルガが立ち上がった時、横から夾竹 透乃が思い切りオルガに両手斧を振り下ろした。
「ぐっ!」
オルガは咄嗟に剣で両手斧を防ぐ。
だが、夾竹 透乃はニヤッと笑い、次の瞬間。
「ぶーっ!!」
「なっ!? ぐあああっ!」
夾竹 透乃が口に含んでいた聖水を至近距離でオルガに吹き出したのだ。
至近距離で聖水を浴びたオルガは両手で顔を抑えた。
――――――――――――――――――――
【ラースとの戦闘】
「ラースだな、お前の相手は俺達だ」
ラースの前にはナイトエッジと空屋が立っている。
いつもは冷静なラースでも、今回は頭に血が上っている。
「人間が2人で吸血鬼の相手? 随分と舐められたものだね!」
ラースがナイトエッジに剣を振り下ろすが、ナイトエッジは片手剣の二刀流だ。 左手の剣でラースの攻撃を防ぎ、右手の剣でラースを斬りつける。
「ふーん……なかなかやるじゃないか」
「なるほど、普通の攻撃は効かないようだな」
たいして痛がっていないラースを見て、ナイトエッジが呟く。
「おい吸血鬼、後ろを向け」
突如後ろから声が聞こえ、ラースはすぐに後ろを向く。
そこに居たのは、拳を握りしめた空屋だった。
空屋は握った拳でラースの顔を思い切り殴る。
「ぐっ!」
ラースはそのまま吹き飛び、地面に倒れる。
そして……。
「あ……ああああああぁぁぁっ!! 顔がっ熱いいいっ!」
殴られた頬を抑えて転がり回る。
「……十字架が弱点というのは本当らしいな」
そう言って空屋はラースを殴った拳を開く。 その手に十字架が握られていた。
「お前らは誰かの平和を脅かした、ここで死ね」
蹲っているラースの首に、ナイトエッジは聖水を塗った片手剣を当てる。
状況を察したラースはビクッと身体を震わせる。
「や、やだっ……死にたくない! やめっ……」
「待つわけがないだろ」
そのまま、ナイトエッジはラースの首を刎ねた。
――――――――――――――――――――
【サリーとの戦闘】
「ほらほら! いつまで避けられるかなぁ!?」
「あぁもうっ! しつこいわねっ!」
サリーは迫り来る聖水の弾幕を必死に避けていた。
聖水の弾幕の原因はコウユウだ。
「……確かに有効な手段なのは認めるわ。でも、ふざけてるようにしか見えないんだけど!?」
楽しそうに聖水を撃ちまくるコウユウを見て、スレイブのヒナが思った事を口にする。
「おらおら、乱れ撃つぜぇーーー!おいヒナ!弾幕薄いぞ、何やってんだ!?」
「やっぱりアンタふざけてるでしょ!?」
そんな言いあいをしていると、水鉄砲の中の聖水が切れた。
「ようやく無くなったみたいね! 殺してやるわ!」
サリーがコウユウの元へ向かおうとした瞬間、サリーの背中をステラ・ザクセンが片手剣で斬りつけた。
そのせいでバランスを崩したサリーは地面に倒れる。
「っ! 邪魔するんじゃないわよ!」
「お前等の好きにはさせないわ! 【エノン】行くわよ!」
「はい! 」
そのまま、ステラ・ザクセンとスレイブ、【エノン】とサリーの戦いが始まった。
「もうっ! いろんな方向から……! イライラするわね!」
ステラ・ザクセンとエノンは、常に真逆に居る。 ステラ・ザクセンが右から攻撃する時は、エノンは左から攻撃する。
それにより、確実に攻撃を加えている。
そして、突然、サリーの顔に水が掛かった。
次の瞬間。
「ああああっ!! 熱いっ! 熱いぃぃっ!」
サリーが顔を抑えて叫ぶ。
その原因のコウユウは。
「リロード完了だ。 狙い撃つぜ! ザクセン嬢、トドメは頼むぜ!」
コウユウとヒナの攻撃により、サリーは動く事が出来ない。
サリーの左右にいるステラ・ザクセンとエノンは、剣を振り上げる。
「人間が……! 絶対に……絶対に許さな……!」
サリーが言い終わる前に、ステラ・ザクセンとエノンが同時に剣を振り下ろし、サリーの首が地面に落ちた。
――――――――――――――――――――
【オルガとの戦闘】
「はははっ! 楽しいねぇ!」
「っ!」
夾竹 透乃の猛攻を、オルガは必死に剣で防いでいる。
「リリちゃん! おねがいっ!」
「はい!」
夾竹 透乃の合図で、アマリリスが聖水が入った瓶をオルガに投げる。
オルガに当たると、瓶が割れ、オルガは頭から聖水を浴びる。
「があああああっ!! くそっ! くそおおおっ!!」
オルガは悲痛な叫びをあげ、その場に蹲る。
「おら、なに蹲ってんだ!」
蹲っているオルガを、ジーン・ズァエールは思い切り蹴り上げる。
オルガが宙に浮くと、十字架を結んでおいた拳でオルガの顔を殴る。
オルガは壁に激突し、ジーン・ズァエールを睨む。
「殺す……殺してやる……!!」
「なんだよ、吸血鬼って雑魚だったんだな。 期待はずれだぜ。 お前もそう思うだろ? 」
そう言ってジーン・ズァエールは夾竹 透乃を見る。
「そうだね。 もっと手応えあると思ったのになぁ……」
2人の言葉に、オルガは顔を真っ赤にし。
「貴様ら……! 許さん、許さんぞおおぉっ!!」
そんなオルガに、ジーン・ズァエールは懐から聖水が入った瓶を取り出し、オルガに投げる。
だが、投げた聖水はオルガの顔の上を通過した。
「ふん! 何処に投げている!」
「もう終わりだよお前」
オルガの上を通過した聖水を、オルガの後ろにいた夾竹 透乃がしっかりとキャッチした。
「何を言っている。 終わりなのは貴様だ人間!」
「えいっ!」
完全にジーン・ズァエールを見ていた吸血鬼に、夾竹 透乃は思い切り聖水を投げつける。
聖水はしっかりとオルガに当たり、またオルガは聖水を浴びる。
「なっ……!?」
「もう飽きちゃった」
「あぁ、トドメだ吸血鬼。あの世に着くまで、止まるんじゃねぇぞ…… 」
夾竹 透乃がオルガの背中を両手斧で斬りつけ、ジーン・ズァエールがオルガの胴体に剣を突き刺すと、オルガは悲鳴をあげて絶命した。
――――――――――――――――――――
【戦いの終わり】
「冒険者さん達凄いわ! 本当にあの吸血鬼を倒しちゃうなんて!」
吸血鬼を倒し、村へと帰る途中、助けた貴族の少女、メイはずっと冒険者達に話しかけている。
「まぁ、俺にとっては吸血鬼なんて雑魚だしな」
「そうなの!? 凄いわ!」
「だろ? ははは!」
「調子に乗らないの!」
元気に話すコウユウに、ヒナが容赦なくツッコミをいれる。
その光景を見て、メイが腹を抱えて笑う。
「メイちゃんは強い娘ですね。 自分から人質になるなんて、簡単にできる事じゃありません」
ステラ・ザクセンがメイの頭を撫でながら言う。 だが、メイは首を横に振る。
「だって、人が殺されるのは見たくないもの。 私は当然の事をしたまでよ」
「……へぇ、貴族にもお前みたいな奴がいるんだな」
メイを見てジーン・ズァエールが関心したように言う。
そんな会話をしていると、村にたどり着いた。
村の入り口には依頼主である貴族が立っていた。
貴族が見えた瞬間、メイは貴族の元へ走って行き、思い切り抱きついた。
「お父様っ!」
「メイっ! 無事だったか!!」
「うん! 冒険者さん達助けてくれたの!」
「冒険者様方、娘を助けていただき、本当にありがとうございます!! 」
それから、貴族の家に招かれ、報酬を貰い、貴族の男とメイに見送られながら、冒険者達は村を出た。
依頼結果
成功
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依頼相談掲示板
吸血鬼に攫われた貴族の少女を救え! 依頼相談掲示板 ( 26 ) | ||
---|---|---|
[ 26 ] ジーン・ズァエール
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-19 17:26:23
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[ 25 ] ナイトエッジ
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-19 17:24:47
|
||
[ 24 ] コウユウ
ヒューマン / ナイト
2017-08-19 13:05:57
|
||
[ 23 ] ステラ・ザクセン
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-19 12:48:00
|
||
[ 22 ] ステラ・ザクセン
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-19 12:44:46
|
||
[ 21 ] ステラ・ザクセン
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-19 12:32:27
|
||
[ 20 ] コウユウ
ヒューマン / ナイト
2017-08-19 11:52:10
|
||
[ 19 ] コウユウ
ヒューマン / ナイト
2017-08-19 11:47:35
|
||
[ 18 ] ステラ・ザクセン
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-19 10:03:15
|
||
[ 17 ] コウユウ
ヒューマン / ナイト
2017-08-18 23:43:22
|
||
[ 16 ] 夾竹 透乃
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-18 23:39:16
|
||
[ 15 ] コウユウ
ヒューマン / ナイト
2017-08-18 23:19:19
|
||
[ 14 ] 夾竹 透乃
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-18 22:39:19
|
||
[ 13 ] コウユウ
ヒューマン / ナイト
2017-08-18 22:08:58
|
||
[ 12 ] コウユウ
ヒューマン / ナイト
2017-08-18 21:49:31
|
||
[ 11 ] ジーン・ズァエール
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-18 21:44:30
|
||
[ 10 ] ジーン・ズァエール
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-18 21:33:24
|
||
[ 9 ] コウユウ
ヒューマン / ナイト
2017-08-18 18:16:32
|
||
[ 8 ] コウユウ
ヒューマン / ナイト
2017-08-18 18:12:20
|
||
[ 7 ] ナイトエッジ
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-18 10:19:08
|
||
[ 6 ] ジーン・ズァエール
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-18 09:15:43
|
||
[ 5 ] ジーン・ズァエール
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-18 09:13:38
|
||
[ 4 ] ステラ・ザクセン
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-18 01:06:00
|
||
[ 3 ] 夾竹 透乃
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-17 19:13:54
|
||
[ 2 ] ナイトエッジ
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-17 11:50:42
|
||
[ 1 ] ジーン・ズァエール
ヒューマン / ウォーリア
2017-08-17 10:02:41
|